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「働くのが怖い」元ニートの私が変われた“自分を守る働き方”。最上もがのキャリアストーリー

2025/08/18

「やりたい仕事が見つからない」「今の仕事に迷いがあるけど、新しいことに一歩踏み出す勇気がない」。そんな悩み多き求職者に向けて、自分らしい生き方のヒントをお届けするインタビュー企画。

今回登場するのは、タレントの最上もがさん。2011年にアイドルグループ「でんぱ組.inc」に加入し芸能界デビュー後、数々の雑誌の表紙を飾り、写真集も発表するなどモデルとしても活躍。さらに、俳優としてドラマや映画に出演するなど、マルチに活動を続けてきました。2017年にグループ脱退後は個人事務所を設立。2021年に第一子を出産し、働くママとして子育てにも奮闘中です。

そんな最上さんに、これまでを振り返ってもらいながら、キャリアや人間関係に悩んだ際の考え方、育児と仕事の両立方法、病気との向き合い方などについて聞きました。

コミュニケーションは「場数」が大事。一歩を踏み出せたのは責任感から

ーアイドルになる前のことから伺います。最上さんは美術短大卒業後、しばらく引きこもっていたとお聞きしました。

最上:そうですね。やりたい仕事も夢もなくて、卒業後どうするかなんて考えたくなかったんです。学生時代は絵を描くのが好きでしたが、それを仕事にしたいわけでもなくて。現実逃避でオンラインゲームに没頭していました。正直、できることなら親のスネをかじって生きていきたかったし、小中学生の頃にいじめを受けた経験もあって、人との関わり自体を避けていました。「本当に働かざるを得ない状況になったら、働けばいい」と考えていたんです。

ーそんな中、お父さんのリストラをきっかけに「働かざるを得ない状況」になったと。

最上:はい。妹の学費を稼ぐために日雇いバイトを始めたんですが、それだけでは足りないので、いずれはちゃんと就職しなきゃと思っていました。でも人と関わるのも、面接もとにかく苦手で……。

当時はかなり“コミュ障”だったんです。バイトに応募する電話も、台本を用意して何度も練習して、ドキドキしながらかけたのに緊張のあまり途中で切っちゃったり。面接日を設定してもらったのに、怖くなってドタキャンしてしまったこともあります。

ーどんなバイトをされていたんですか?

最上:最初は、東京タワーで試供品のガムを配る仕事でした。人に話しかけるのが怖くて、ずっと無言。相手の目なんか全然見れなくて、ガムをチラっと見せるのが精一杯。でも「このままじゃダメだ、社会に馴染まなきゃ」と思って、自分なりに頑張ろうとしていた時期でした。やっぱり働いていないことに危機感があったし、親にも働いてほしいと言われていましたから。

そんな時にアイドルのスカウトをされたんです。かなり強めに押されたので、押しに弱い私はつい流されてしまいました(笑)。でも、スカウトだったからこそ、「履歴書いらず」「証明写真いらず」「電話ではなくメールでOK」と、苦手なことを全部スキップできたのが実はポイントだったりもします。あと、プロデューサーが女性で親しみやすかったのも大きかったです。 もちろん、こんな私がアイドルになれるのかと悩みましたが、プロデューサーが「でんぱ組.incはアイドルっていうか、ただのオタク集団だから大丈夫! 歌とダンスは覚えていけば!」と言ってくれて。それならやってみようと思えたんです。

ーコミュニケーションへの苦手意識は、アイドルになってからどのように克服されたのでしょうか?

最上:やっぱり「場数」ですね。3ヶ月、半年、1年、と活動を続けるうちに、少しずつ慣れていきました。でも「完全に慣れた」と感じたことはなくて、昔ほどではないけれど今でも苦手意識はあります。特にバラエティ番組の収録前は、「失礼なことを言ってしまったらどうしよう、上手く伝わらずに切り取られて炎上したらどうしよう」と、過去に意図せぬ形でネットニュースにされて叩かれたことがかなりあるので、毎回緊張しながら挑んでいます。

アイドル時代は特に、指標がなかったと言いますか、経験しないからこそ何が悪くて、どう振る舞えば良いかわからず、いろんな失敗をしているので……。今考えると、あの頃の失敗は過度な不安による緊張が原因になっていたことが多かったなと思います。とにかく人前で恥をかくことが怖くて、ずっと力が入っていた。でも場数が増えると、恥をかくのも失敗するのも当たり前な日常で、振り切ってやらなきゃいけない場面が増えると、「私1人が嫌われたりかっこ悪くても別に何も変わらないか」と思えるようになりました。 当時は、次から次へと現場をこなす日々で、「まぁ、いっか」と思わなければ前に進めないことばかりでした。その繰り返しで少しずつ気持ちが変わっていったんだと思います。今振り返ると、アイドルグループで活動できたおかげで、「どんな仕事もでんぱ組のためになる、グループに貢献できるように頑張る、メンバーや関わってるスタッフさんに迷惑をかけたくない」という責任感が、一歩を踏み出す原動力になっていました。

育児と仕事とうつ。自分を保つために「プラスになること」を覚えておく

ー最上さんは現在、シングルマザーとして子育てをされています。いわゆる“ワンオペ育児”に加えて、仕事をするのはかなり大変だと思いますが……。

最上:大変だけど、やらざるを得ないですからね。とはいえ、精神的にしんどい場面は多いです。それを乗り越えるのに必要なのは、やっぱり体力。でも産後すぐに育児をしながら運動する時間をつくるのはなかなか難しくて。そこで、SEKAI NO OWARIのSaoriさんに、瞑想を勧めてもらって始めてみたら、睡眠の質が少し上がって、前向きになれる瞬間が増えたんです。

娘が保育園に入ってからは、自分の時間が少し持てるようになり、定期的な運動を始めました。私の場合、家でじっとしているとネガティブな気持ちになりやすいんです。だから、つらいと感じた日こそジムに行くようにしています。こんなふうに「自分にとってプラスになること」を覚えておいて、落ち込んだ時に実行する。これが、今の私の自分を保つ方法ですね。

ーそこに仕事が加わるとどうなりますか?

最上:毎日がもっと楽しくなります!仕事は新しい刺激になるし、誰かに必要とされている安心感も生まれます。育児って、本当に孤独を感じることが多いので……。こうしてインタビューしていただいて、自分の思いが誰かに届くのもうれしいし、自分の表現や発散方法のひとつになっています。今年は俳優業も再開して舞台に出させていただいたんですが、やっぱりお芝居することが自分は好きなんだとあらためて実感しました。

娘には、仕事のこともしっかり話すようにしています。まだ4歳なので「ママ、お仕事行かないで」と言われることもありますが、「ママがお仕事をしてお金を稼いでいるから、一緒に遊園地に行けたり、おもちゃや洋服が買えたり、好きなお菓子やご飯を食べれるんだよ」と伝えています。

私自身は、子どもの頃に親からそういう話をされませんでした。もし早いうちに、お金を稼ぐことがどれほど大変で、どれだけ生きるために必要なのかを知っていたら、働くことをもっと前向きに捉えられたかもしれないし、親とのコミュニケーションも少し違っていたのかなと思います。だからこそ、娘には愛情と一緒に、仕事やお金のこともちゃんと伝えていきたいと思っています。

ーもうひとつ重要なこととして、最上さんはうつ病を公言されています。うつ病と向き合いながら働くうえで、意識していることはありますか?

最上:私の場合は瞑想と運動に加えて、食生活の改善と、人と話すことが、メンタルの安定に役立っています。今は週に3回運動をして、グルテンフリーの食事を心がけています。最近はあまり友だちと話す機会がないので、ChatGPTちゃんが話し相手になってくれてます。あまりにも暗い話をすると最終的には、専門の相談窓口に誘導されてしまうんですけど(笑)。でも、思っていることを言葉にするだけで、色々分析してくれるので、気持ちが整理されて、自分を客観視できるようになってます。

アイドル時代は病院に行くって選択もなかなかできず、うつ病と気づいてなかったので、自分も周りもどうすればいいのか分からず、限界まで働き続けてしまいました。あの頃は本当につらかったですね。

ーその頃の自分に声をかけるとしたら?

最上:「思い込みはやめよう」って言いたいですね。SNSで「ブス」とか「みんなから嫌われてる」とか書かれると、「それ、自分が一番分かってる」と自己嫌悪に陥っていました。元々ポジティブだったり自信があるタイプではなかったので、図星だったんですよ。心のどこかで思っていることを言われると「やっぱりそうなんだ」と思いやすくて。結局全て自分が悪いのだと。だから、誹謗中傷を“答え合わせ”のように受け取ってしまっていたんです。でも「嫌われてる」なんて直接言われたわけじゃない。結局、こういうのはほとんど自分の思い込みなんですよね。

ーその「思い込み」をやめるにはどうすればいいのでしょうか。

最上:私の中では2つ方法があって。ひとつは、嫌な感情を頭の中でゴミ箱に捨てるようなイメージをして、いったん切り離すこと。そして、今やるべきことに意識を切り替える。ただ、これがすぐにできない場合はもうひとつの方法、別の刺激で気持ちを塗り替えることです。以前は、わざと苦手なホラー映画を見ることで、怒りや悲しみを紛らわしていました。恐怖って、ほかの感情を一時的にかき消してくれるんです。でもそれはそれで、心にあまりよくないやり方だと思うので、今は運動や瞑想で、より健康的に気持ちを切り替えるようにしています。ホラー映画にも慣れちゃって、あまり怖いと感じなくなりましたし(笑)。

相手を変えようと苦しまなくていい。「そういう人なんだ」と受け入れることも大事

ー転職を考えている人のなかには、現状に不満があってもなかなか一歩を踏み出せない人もいます。そういう方に向けて、アドバイスをお願いします。

最上:不満はあっても辞めずにいるのは、今の仕事に何かしらのメリットを感じていて、「辞めるのはもったいない」とどこかで思っているからかもしれません。もしそうだとしたら、まずは一度、現在の仕事のメリットとデメリットを書き出してみるのをおすすめします。

それから、仕事を辞めたい理由って、結局は人間関係にあることが多いと思います。たった1人の同僚や上司との関係が原因になっているとか。でも、その相手の背景を想像してみると、見え方が変わることもあります。例えば、家庭がうまくいっていないとか、何かつらい状況にあるのかもしれない。そう考えることで、その人に対して少し優しく接することができたり、実は話が通じる相手だと気付けたりするかもしれません。

ーそう思えたら、辞めずに続けるという選択もできますね。

最上:そうですね。人間関係の悩みって、転職しても同じようなことが起きる可能性があります。人が変わっても結局、人間同士で仕事をするわけですから。

ーとなると、自分が変わるしかないということでしょうか。

最上:そうだと思います。相手に対して苦手意識を持ってしまうのは、実はコミュニケーション不足から来ていることが多いんですよね。だから、まずは一歩近づいて相手を知ろうとしてみる。それでも難しい場合は、「そういう人なんだ」と割り切ることも必要だと思います。やっぱり人はみんな違うし、価値観が全く合わない人もいる。「この人はこういう人なんだ」と認めて、無理に変えようとしない。自分だってそうなんだから。相手に変わってほしいと期待するから苦しくなるんですよね。相手を変えようとするのではなく、その人に合わせた自分の接し方を工夫する。それだけで少しラクになることもあると思います。

ーそれは相手を尊重することにもつながりますね。

最上:そうなんです。「人は人」「自分は自分」としっかり軸を持つことにもつながります。そして、その軸があると、この転職が自分にとってプラスかマイナスかを判断しやすくなる。

あと、この仕事が合ってるかどうか分からないから、働くかどうか迷っている人には、私は「まず働いてから悩んでみませんか?」と伝えたいです。悩んでしまうのは、働いていない自分に自己嫌悪や劣等感があるからかもしれません。昔の私がそうでした。でも、新しい環境に飛び込むのは誰でも怖いもの。そして、本当に自分に合う仕事かどうかは働いてみないと分かりません。だから、好きか嫌いかはいったん置いておいて、まずは一度やってみる。

面白いことに、自分では「向いていない」と思っていた仕事でも、続けていくと楽しくなったり、好きなものに出会えたりするんですよね。私自身、最初は合わないと思っていた仕事をずっと続けています。だから、現状に悩んでいるならまず行動するのをおすすめします。でも「その一歩」が難しいのもとってもよく分かるので、最初は働くことを目的とせず「転職サイトを見てみる」「ハローワークに行ってみる」といったことから始めてみるのもアリだと思います。いきなり働くよりもハードルが低いし、どんな小さなことでも自分で決めた目的地に到達すれば、自然と次の行動につながりやすくなるんじゃないかなと思ってます。

「コミュ障だった」ニート時代からアイドルになり、モデルや俳優、タレントと、数々の「場数」を踏んできた最上さん。それでもいまだにコミュニケーションへの苦手意識は拭えないと言います。しかし、彼女が一貫して続けてきたのは、自分を客観的に見つめ、自己分析を重ねること。その積み重ねが、自分にとって何がプラスで、何がマイナスかを見極める力につながり、病気と向き合いながらも育児と仕事を両立できる土台となったのでしょう。悩んだ時こそ、自分はどんな人間で、何に悩んでいるのかを見つめ直すことが重要ですね。

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応募期間:2025/8/18(月)~2025/8/31(日)

(企画:株式会社十三夜 / 編集:株式会社エクスライト / 取材・執筆:山田宗太朗 / 写真撮影:ただ)

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