

夜勤手当とは?相場・計算方法・深夜割増との違いまでわかりやすく解説
2025/08/04
夜勤の仕事に興味がある人や、これからの応募を検討している人にとって、「夜勤手当はいくらもらえるのか?」「深夜割増との違いは?」といった疑問は極めて重要なポイントになってきます。
まず前提として、夜勤には身体的・生活リズム的な負担が伴います。それらの負担を補うために「夜勤手当」という形での優遇が用意されていることが一般的です。
本記事では、夜勤手当の定義や金額の相場、計算方法から注意点まで、就業前に知っておきたい情報を実務視点で丁寧に解説します。給与面での不安をクリアにして安心して夜勤に臨めるよう、ここで正しい知識を身につけましょう。
夜勤手当とは?基本の定義と制度の仕組み
夜勤には、身体的あるいは生活リズム的な負担が伴うことから、法律上でも一定の補償が設けられています。その代表例が「夜勤手当」です。
ただし、夜勤手当には法定部分と企業独自の上乗せ部分があるため、その仕組みを正しく理解しなければ、「本当に支給されるのか」「適正に計算されているか」の判断を下せません。
ここでは、夜勤手当の定義と深夜割増との違いを整理し、労働基準法に定められたルールについて解説します。
夜勤手当と深夜割増の違い
夜勤手当と深夜割増は混同されがちですが、制度的な位置づけは大きく異なります。
- 深夜割増:労働基準法により定められた「22時〜5時に働いた場合、通常賃金の25%以上を上乗せする」という法定の割増賃金。支給は義務
- 夜勤手当:企業が独自に設定する追加の手当(例:1勤務につき1,000円など)。支給の有無や金額は会社ごとに異なる
つまり、深夜割増は法律で決まっている最低ラインであり、夜勤手当は企業の方針で上乗せされるインセンティブと理解するとわかりやすいでしょう。
この違いを理解しておくことで、「手当がつかないと思っていたら深夜割増だけだった」というような誤解を防げます。
労働基準法で決められた夜勤手当の基準
労働基準法では、午後10時〜午前5時の時間帯に労働があった場合、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。この「深夜割増賃金」は、あくまでも法定の最低基準です。違反すると企業は労働基準監督署から是正指導を受ける可能性があります。
合わせて、次のポイントも押さえておきましょう。
- 時間の一部が深夜時間帯にかかる場合、その部分にのみ割増が適用される
- 割増の基礎となる賃金には、一部の手当(通勤手当など)は含まれない
このように、労働基準法で定められた深夜割増賃金がある一方で、企業独自の加算である夜勤手当については、就業規則や労働契約書に明記されていない限り、必ず支給されるとは限りません。採用前には、必ず手当の有無や金額について明文化された情報を確認しましょう。
夜勤手当の計算方法と適用時間

夜勤手当を正しく理解するには、いつから適用されるのか(時間帯)と、どのように金額が計算されるのか(計算式)を押さえる必要があります。
ここでは、制度的な定義と、時給・日給・月給といった給与形態ごとの計算の違いを具体的に解説していきます。
何時から何時まで?「22時~5時」の理由
上述の通り、労働基準法では「午後10時〜午前5時(22時~翌5時)」が深夜労働の時間帯と定義されています。この時間帯に勤務が発生した場合、通常の賃金に加えて25%以上の割増賃金(深夜割増)が義務付けられているということです。
この時間帯が選ばれている背景には、「人間の生体リズムが最も休息を必要とする時間」とされていることが影響しています。つまり、健康的なリスクが高いと見なされる時間帯だからこそ、法的な保護が加えられているというわけです。
なお、勤務時間が19時〜翌4時の場合では、深夜時間帯に該当する22時〜翌4時の「6時間分のみ」が割増の対象になります。勤務時間全体は夜であっても、「深夜割増」は時間帯に応じて支給される点に注意しましょう。
計算方法の具体例|時給制・日給制・月給制での違い
夜勤手当の計算は、基本となる賃金形態によって異なります。以下に主なケースをまとめました。
【時給制の場合】
例:基本時給が1,200円、22時〜5時に勤務(7時間)
- 深夜割増 → 1,200円 × 25% = 300円
- 割増時給 → 1,200円 + 300円 = 1,500円
- 支給額 → 1,500円 × 7時間 = 10,500円
【日給制の場合】
例:1日あたり日給10,000円、うち深夜時間が4時間
- 日給換算時給:10,000円 ÷ 実働8時間 = 1,250円
- 割増額 → 1,250円 × 25% = 312.5円 × 4時間 = 1,250円
- 支給額 → 10,000円 + 1,250円 = 11,250円
【月給制の場合】
例:月給240,000円、月160時間勤務(うち40時間が深夜)
- 月給換算時給:240,000円 ÷ 160時間 = 1,500円
- 深夜割増 → 1,500円 × 25% = 375円
- 支給額 → 375円 × 40時間 = 15,000円(別途支給)
このように、夜勤手当(深夜割増賃金)は基本給の25%以上を時給ベースで加算する形で、給与形態に応じた方法で計算されます。
求人票や給与明細を見る際には、「夜勤手当がどの時間に適用されているか」「基本給に含まれていないか」を必ず確認しておきましょう。
他の手当との違い
夜勤手当と似た言葉に、「残業代(時間外手当)」「休日出勤手当」「法定休日の扱い」などがあります。これらは割増賃金という点では共通しているものの、対象となる条件や計算の基準が異なるため、正しく区別しておきましょう。
時間外手当との違い
時間外手当(いわゆる「残業代」)は、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた場合に支払われる手当です。一方、夜勤手当(深夜割増)は、法定労働時間に関係なく、22時〜5時に働けば発生します。
夜勤手当(深夜割増) | 時間外手当(残業代) | |
---|---|---|
発生条件 | 22時〜翌5時に労働 | 所定労働時間を超えた場合 |
割増率 | 25%以上 | 25%(※休日残業は35%) |
つまり「22時以降の残業」では、夜勤手当と残業手当が両方つくのが原則です。
休日出勤手当との違い
休日出勤手当は、法定休日(週1回以上与えられる休日)に勤務した場合に支払われる手当です。この場合の割増率は原則として35%以上と定められており、夜勤手当とは別の制度となります。
ポイントは、深夜であっても「休日労働」であれば、深夜割増と重ねて支払われる必要があるという点です。
例:法定休日に22時〜翌5時まで勤務した場合
→ 休日出勤手当(35%)+深夜割増(25%)=合計60%の割増が適用される
法定休日と所定休日
上に取り上げた「法定休日」と、それに類似する言葉である「所定休日」についての理解も合わせて深めておきましょう。
概要 | 割増賃金 | |
---|---|---|
法定休日 | 労働基準法で定められた週に1回以上の休み | 出勤時は35%以上の割増 |
所定休日 | 会社が定める休み(法定外) | 出勤時は25%の割増(通常残業扱い) |
たとえば、週休2日の会社では、日曜=法定休日、土曜=所定休日として扱われるケースが多くあります。この違いは、休日出勤時の割増率や勤務ルールに関わるため非常に重要です。
職種別の夜勤手当相場

夜勤手当は法律で「25%以上の割増賃金」と定められているものの、実際の支給額や上乗せの内容は、業界や職種によって異なる傾向が見られます。特に夜勤が日常的にある業界では、独自の夜勤手当が設定されているケースが多く、待遇にも差が出やすいのが特徴です。
ここでは代表的な業種別に、夜勤手当の傾向や相場を見ていきます。
工場・製造業
夜勤が多い代表的な業種であり、シフト勤務の一環として夜勤が制度化されているケースがほとんどです。派遣社員や契約社員でも夜勤シフトは見られ、時給換算で300円〜500円の夜勤加算がある職場も少なくありません。
- 月の夜勤が15回あると、月2〜3万円の上乗せになるケースなども
- 例:基本時給1,200円 → 夜勤時給1,800円(深夜割増+独自手当)
介護・福祉
介護職では「夜勤専従」や「準夜勤・深夜勤」など多様な勤務形態があります。夜勤1回ごとに3,000〜8,000円の手当が支給されるケースが多く、回数が多い人ほど収入が増加していく傾向です。
- 手当の支給形態も「定額制」が多く、時給制とは異なる運用が多い
- 特養や老健施設などは夜勤回数が多め
看護・医療
看護師や医療スタッフは、深夜・休日も業務が発生する専門職であるため、夜勤手当は比較的高めに設定される傾向です。
医療機関では、深夜割増と夜勤手当を別々に支給しているケースも多い
- 一般的には1回あたり8,000〜12,000円程度の夜勤手当が支給される
- 交替制勤務(二交代・三交代)によって支給体系が異なる
- 医療機関では、深夜割増と夜勤手当を別々に支給しているケースも多い
運送・物流業
運送業界でも深夜便や夜間配送が多いことから、時間帯手当の形で夜勤手当が支給されることが一般的です。
- 高速料金・深夜割増など、実費精算+手当支給が組み合わさることが多い
- 深夜時間帯の運転に対して、1運行あたり数千円の手当がつくケースも
夜勤手当の注意点とトラブル防止策
「夜勤だから当然手当がつくだろう」と思っていたのに、いざ給与明細を見てみると想像と違っていた。そんなケースは意外と多く、特に契約内容や企業ごとの規定を事前に確認しないことが原因になりがちです。
ここでは、夜勤手当にまつわる代表的な注意点と、働く前に確認すべきポイントを整理します。
手当がつかない例・計算ミスにも注意!
まず注意すべきは、「夜勤手当が支給されない/計算が間違っている」というケースです。主な原因には次のようなものが挙げられます。
- 深夜時間(22時〜5時)に該当していない:たとえば20時は夜であっても、割増対象の時間帯ではない
- 基本給に含まれているとされている:割増分が別途ではなく、最初から月給に含まれているケース
- 割増率が適正でない:25%ではなく10%など、違法な設定になっている企業に注意
- 計算ミス・勤怠入力ミス:シフトやタイムカードの誤登録で本来の支給額に満たない場合
こうした事態を防ぐには、給与明細の確認と、疑問点があればすぐに担当者に質問する姿勢が大切です。
求人票で見るべきポイント
夜勤手当については、求人票にどの程度具体的に記載されているかが重要な判断材料になります。次のポイントは特にチェックしておきたい項目です。
- 「夜勤手当あり」とあるか?→ 金額や支給条件が書かれているか
- 深夜割増と別に記載があるか?→ 「手当」と「割増」が混同されていないか
- 固定額 or 時間連動か?→ 1勤務○円か、時給+〇円かを確認
- 就業規則・労働条件通知書に記載があるか?→ 法的拘束力のある文書に書かれているかが重要
手当は収入を大きく左右する要素であると同時に、「契約」に基づく制度であることを理解することが大切です。あいまいなまま働き始めてしまうと、後々の不満や齟齬につながりかねません。
面接時にも「夜勤手当の支給体系はどうなっていますか?」と、事前にしっかり確認するのがトラブル防止の第一歩です。
まとめ
夜勤手当は、夜間勤務による心身の負担を金銭的に補うための大切な仕組みです。特に製造業や介護、運送などの分野では、夜勤が日常的に発生することから、手当の有無や支給方法が収入に直結するケースは少なくありません。
この記事で触れた、夜勤手当の重要なポイントをあらためて確認しておきましょう。
- 労働基準法で定められた深夜割増(22時~5時)
- 企業ごとに異なる独自の手当や支給基準
- 給与形態によって変わる計算方法
- 残業・休日出勤との違いと重複ルール
- 業種別の支給相場とトラブル防止策
これらを正しく理解することで、就業前に安心して条件を判断できるようになり、実際の勤務においても納得感をもって働くことができます。
収入アップを目指すうえでも、夜勤手当の仕組みを正しく把握することは欠かせません。求人票の確認、契約書のチェック、明細の見直しなど、一つひとつ丁寧に行いながら、自分にとって最適な働き方を選んでいきましょう。
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