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シリコンウエハーとは?なぜ丸い?サイズは?世界シェアや製造工程・将来性までわかりやすく解説

2025/11/26

スマホやパソコン、そして自動車。こうした身近な製品のなかには、必ずといっていいほど「半導体」が使われています。

その半導体を支えるのが、シリコンウエハーと呼ばれる素材です。メディアで取り上げられる機会も多いこの言葉に対し、「シリコンウエハーってそもそも何?」「なぜ丸いの?」「日本の会社って関係あるの?」などと感じている人も多いでしょう。

この記事では、シリコンウエハーの基礎知識から製造工程、世界シェアや今後の展望まで、わかりやすくまとめていきます。

シリコンウエハーとは

シリコンウエハーは、電子機器の心臓部ともいえる、半導体チップを作るための土台です。1枚のウエハーの上に、数百〜数千個のチップが作られ、それぞれがスマートフォンやパソコンのなかで機能しています。

ここでは、ウエハーの役割や形状、素材について、次の3つの観点から掘り下げていきます。

  • シリコンウエハーは半導体の「土台」になる素材
  • なぜウエハーは丸いのか?
  • 原料はシンプルだが精密さが問われる素材「ケイ素」

シリコンウエハーは半導体の「土台」になる素材

シリコンウエハーとは、高純度シリコンで作られた薄くて平らな板状の素材です。主に次のような特徴があります。

  • 直径10〜30cm程度、厚さ0.5〜1mm程度
  • 1枚のウエハーから数百個以上のチップを製造可能
  • 電気特性が安定し、絶縁・伝導の制御がしやすい

ウエハーの役割は、チップの土台となり「ウエハー加工」によって電子回路を形成することです。その精度次第で、完成する半導体の性能は大きく変わってくるため、素材としての品質管理は非常に重要になります。

製造工程の初期から最終工程まで、多くの技術と人の手が関わるのがウエハー関連業務の特徴です。

なぜウエハーは丸いのか?

シリコンウエハーが丸いのは、単純な見た目の話ではなく、構造上・加工上の合理性に根ざしています。

理由詳細
素材が円柱形だから「シリコンインゴット」は円柱状に結晶成長されるため、スライスすると自然に丸くなる
回転加工に向いている研磨やCMP(化学的機械研磨)で均一な力を加えるには、円形が最も効率的
歪み・欠陥を抑えられる四角い形では応力が集中しやすく、クラック(ひび割れ)や端部の歪みが起きやすい

さらに、機械装置との親和性やライン作業での回転整列のしやすさなども、シリコンウエハーが円形である理由のひとつです。ウエハーはただの部品ではなく、形そのものが合理的に設計された工業素材といえるでしょう。

原料はシンプルだが精密さが問われる素材「ケイ素」

シリコンウエハーの材料となるのは、「ケイ素(Si)」と呼ばれる元素です。砂の主成分である二酸化ケイ素(SiO₂)から精製され、99.999999999%(イレブンナイン)といった超高純度にまで加工されます。

その製造工程は以下の通りです。

【シリコンウエハーの製造工程】

  1. シリコンを化学反応で精製(不純物除去)
  2. 単結晶育成(モノシリック結晶)によって整った構造を生成
  3. 円柱状の「インゴット」へ成形
  4. インゴットをスライスし、ウエハー形状に
  5. 表面の平坦化・鏡面研磨・洗浄(クリーンルームにて)

工程ごとに、精密な温度管理や湿度管理、微粒子除去技術が必要です。特にウエハーの表面に極小レベルの凹凸や不純物があると、回路形成時に深刻なエラーを起こす可能性があるため、クリーンルームでの作業が基本となります。

素材はシンプルながら、扱いには非常に高度な技術が求められる分野なのです。

世界と日本のシリコンウエハー業界シェア

シリコンウエハーは、世界中で半導体需要が高まるなかで、安定供給が強く求められている素材のひとつです。そんな注目の分野で、日本企業が世界トップのシェアを占めていることをご存じでしょうか?

ここでは、シェア上位企業の動向と日本勢が強い理由について整理していきます。

世界シェア上位は日本企業が占める構図

シリコンウエハー業界は、数社による寡占状態になっています。特に300mmウエハーでは設備投資や品質の維持が難しく、新規参入のハードルが高いためです。

2024年時点でのグローバルシェア予測(参考値ベース)は以下の通りです。

ランキング企業名所在国推定シェア特徴・補足
1位信越化学工業日本約30%単結晶ウエハー世界最大手、安定供給体制が強み
2位SUMCO日本約25%300mmウエハーの世界供給拠点を多数展開
3位GlobalWafers台湾約17%買収により規模拡大、欧米市場にも強い
4位Siltronicドイツ約10%高品質ウエハーに定評、欧州ファブと連携
5位SK Siltron韓国約8%サムスン電子など韓国系ファブ向けに供給
その他その他メーカー群約10%地域特化型、再生ウエハー・特殊品など

※数値は複数の市場予測・公開情報をもとにした推定値です。

特に注目すべきは、1位・2位がいずれも日本企業であること。この2社だけでグローバルシェアの半分以上を占めており、日本の技術力と信頼性の高さが際立っています

なぜ日本企業が強い?信越化学工業とSUMCOの存在感

シリコンウエハー分野で日本企業が強い理由は、次のような複合的要因によります。

  • 長年の品質改善・技術蓄積
  • 装置産業との強固なサプライチェーン連携
  • クリーンルーム技術・歩留まり管理力が高水準
  • 海外ファブ(TSMC・Intelなど)からの信頼が厚い

なかでも際立ったシェアを獲得する「信越化学工業」「SUMCO」の2社は、それぞれ次のような特徴を持ちます。

  • 信越化学工業:精製、結晶成長、スライス、平坦化まで一貫生産体制。最先端技術で300mm超にも対応
  • SUMCO:国内外の半導体メーカー向けに供給網を持ち、再生ウエハーや特殊用途にも強みを持つ

また両社とも設備投資額が大きく、工場の自動化やAI導入も進んでいるのが特徴です。

このように、日本企業はウエハー業界のトップランカーとして、世界の半導体産業を支えています。

シリコンウエハーはどこで使われている?

シリコンウエハーは目に見えない存在ですが、私たちの生活のあらゆる場所で使われています。ウエハーに形成されたチップは、コンピュータやスマホのほか、自動車や家電、医療機器、さらには工場のロボット制御装置にまで組み込まれているのです。

ここでは、ウエハーが使われる具体的な製品と、それによって得られる恩恵について解説します。

スマホ・PCから自動車まで身近な製品に搭載

シリコンウエハーが使われる製品群は、年々広がりを見せています。以下は主な活用例です。

製品ジャンル搭載されるチップの例役割
スマートフォンCPU/メモリ/通信モジュール処理・保存・通信すべてを制御
パソコンCPU/GPU/SSD複雑な演算や高速処理を可能に
家電(テレビ、冷蔵庫など)SoCチップ/センサー制御チップ高度な制御・自動化
自動車ADAS/ECU/電装用マイコン自動運転・省エネ・走行支援
産業用機器PLC/AIエッジプロセッサロボット・工場自動化の中枢

「チップ=電子の頭脳」であり、その土台となるウエハーがなければ、現代のスマート機器は成立しません。また、自動車1台あたりに使われるチップ数は100個以上ともいわれており、その大部分がシリコンウエハー由来です。

AI・5G・IoTの発展で使用量は急増中

近年では、以下のような成長領域でもシリコンウエハーの重要性が高まっています。

  • 生成AI(大規模言語モデル)向けの高性能GPU/TPU
  • 自動運転レベル4〜5に対応する超高精度センシングチップ
  • スマートファクトリー・スマート家電に組み込まれるIoTチップ

こうした最先端分野では、従来よりもウエハーの直径・精度・熱耐性・消費電力特性が重要視されます。つまり、使用量が増えるだけでなく、要求される品質のハードルも上がっているのです。

このようなトレンドを受け、ウエハー市場は2026年以降も成長が予測される重点産業のひとつとされています。

「サイズ」「端っこ」とは?ウエハーの形と特徴

シリコンウエハーは一見するとただの「丸い板」に見えますが、実際にはサイズや厚さ、端の加工処理など、細部まで設計された工業製品です。それらの違いによって、加工方法や搭載するチップの種類が変わってくるため、現場作業者にとっても重要な知識となります。

このセクションでは、サイズごとの特徴や、ウエハーの「端っこ」にある加工の意味について解説します。

直径は100mmから300mmまで幅広く存在

シリコンウエハーにはいくつかの標準サイズが存在します。最も一般的なのが以下の3つです。

直径用途備考
100mm(4インチ)試作・研究用小型チップや開発向け
200mm(8インチ)旧世代製品・一部民生機器コスト重視の製品で採用
300mm(12インチ)最先端半導体・主力ライン歩留まり・生産効率が高い

なかでも300mmウエハーが現在の世界標準です。その理由は、1枚のウエハーから作れるチップの数が圧倒的に多く、コスト効率が高いからです。たとえば200mmウエハーなら約500個のチップを、300mmウエハーなら約2,000個のチップを製造できるイメージです(※設計による)。

このように、同じ労力でも4倍近くの製品を作れるため、大手ファブではほぼ300mmに移行しています。また、「450mm」サイズも研究開発が進んでおり、ウエハーの大型化は今後の重要なキーワードでもあります。

端っこにある「ノッチ」「フラット」にも意味がある

ウエハーの外周部、つまり「端っこ」には、ぱっと見ではわからないくぼみやカット加工が施されています。これには以下のような目的があります。

加工名内容目的
ノッチ(Notch)ごく小さな切り欠き搬送装置での向き識別用
オリエンテーションフラット一部分が平らに削られている結晶方位の判別・製造ラインでの整列
カットエッジ処理切断面の面取りや丸み微細なクラック防止、安全性確保

これらの加工は、製造装置による自動搬送・正確な位置決め・工程ごとの識別処理など、現場の合理化を支える役割を果たしています。特にノッチは300mmウエハーで標準化されており、装置と連携したスマート搬送システムの根幹を担っています。

なお、ウエハーの端部は、チップを載せる領域から外れることが多いため、「周縁欠陥」が起きても製品不良には直結しません。しかし、チップ密度が高まる近年では、端ギリギリまで使う「チップ密着設計」も増えており、端部品質の維持も重要性が増しているのが現状です。

シリコンウエハーの製造工程はどんな仕事?

シリコンウエハーの製造には、結晶成長・スライス・研磨・洗浄・検査など、いくつもの工程があり、それぞれに異なる専門性が求められます。ただし、工程ごとに役割が明確に分かれているため、未経験からでも始められる作業も多くあります。

ここでは、主な製造工程の流れと、工場で働く人たちが実際にどのような仕事をしているのかを紹介します。

インゴット生成から始まる結晶の成長工程

最初に行われるのが、「単結晶インゴット」と呼ばれるシリコンの結晶棒を育成する工程です。これは電子部品として適した純度と構造を持つシリコン結晶を得るための、非常に重要なプロセスになります。

【インゴット生成の流れ(Czochralski法の例)】

  1. ケイ素を1,400℃以上で溶融
  2. 種結晶を溶融シリコンに接触させてゆっくり引き上げ
  3. 回転しながら徐々に冷却し、単結晶を成長させる
  4. 完成した結晶棒を適切な長さにカット

この工程で得られるインゴットは、直径300mm・長さ1.5m以上にもなることがあります。結晶構造の均一性や方位角の管理が非常に重要で、製品全体の品質を左右する起点になります。

スライス・研磨・洗浄などの工程に分業体制

インゴット生成後、以下のような分業的な製造工程に移ります。

工程内容現場の作業内容(例)
スライスインゴットを薄くカットワイヤーソー機の管理、厚み検査
エッジ処理端部を滑らかに加工面取り装置の操作、破損確認
平坦化(ラッピング/CMP)表面をフラットに整える平坦度・厚みのモニタリング
洗浄化学液で汚れを除去洗浄装置操作、クリーン環境維持
検査表面の欠陥や異物の有無をチェック顕微鏡や自動検査機でチェック

それぞれの工程は自動機による制御が進んでおり、作業者は装置オペレーターとしての管理や検査業務が中心になります。

クリーンルームでの作業環境と働き方の特徴

シリコンウエハーは繊細な製品であるため、製造工程の大部分は「クリーンルーム」と呼ばれる無塵環境で行われます。

  • 常に温度・湿度・静電気を管理された環境
  • クリーンスーツ・手袋・マスクの着用が必須
  • 微粒子(ホコリ・皮脂・繊維)を徹底排除
  • 作業は基本的に立ち作業・慎重な手順が求められる
  • 一定時間ごとに工程記録・装置ログの確認も実施

このクリーンルームでの作業は過酷と思われがちですが、実際は重労働よりも「正確性」「繰り返し作業」「ルール厳守」が重視される仕事です。

未経験者でも、事前研修・OJT・作業マニュアルに沿って、徐々に慣れていけるような体制が整っている企業も多く存在します。

今後の展望とウエハー需要の未来

シリコンウエハーは、単なる「半導体の素材」ではなく、次世代の技術革新を支える重要インフラのひとつとされています。スマートフォンやパソコンに加えて、自動運転・生成AI・5G・宇宙開発・量子コンピュータなど、未来社会を支えるテクノロジーの中心に位置づけられているのです。

このセクションでは、ウエハー市場の今後の需要予測と、それに伴う変化について掘り下げていきます。

AI・自動運転・IoT社会でウエハーは不可欠な存在に

今後、ウエハーの使用量は単純に増えるだけでなく、用途の幅と技術的な要件が高度化する方向に進みます。主な要因は以下のとおりです。

成長分野求められるウエハー特性背景・トレンド
AI(生成系)高放熱性・大面積・高純度チップ1枚あたりの消費電力増大
自動運転・ADAS耐熱性・高信頼性車載環境は温度変化や振動に強くないと不良率が増加
IoT/スマート家電小型化・省電力・量産性多数のデバイスへの分散搭載
データセンター高集積化・歩留まり重視常時稼働+故障ゼロが前提
宇宙・軍事・医療耐放射線性・特殊形状極限環境対応のウエハー開発が進行中

特にAI・自動運転・データセンターは、ウエハー単価が高くても需要がある領域であり、今後の主戦場とされています。また、これらの分野では「再生ウエハー」や「特殊構造ウエハー」など、従来と異なる開発ニーズも生まれつつあります。

再生ウエハーやロストウエハーに注目が集まる理由

環境配慮と資源循環の観点から、ウエハー業界では再利用技術への取り組みも進んでいます。注目の技術キーワード「再生ウエハー」「ロストウエハー」についても押さえておきましょう。

用語意味業界での活用
再生ウエハー使用済みウエハーを研磨・再利用製造ラインのテスト・工程確認用
ロストウエハー欠陥などで廃棄されたウエハーの再資源化材料リサイクル・熱エネルギー変換など

このような取り組みにより、製造時のCO₂削減・歩留まり向上・廃棄物の削減が実現されつつあります。特にロストウエハーの再資源化は、リチウムやガリウムといった希少金属のリサイクルにも応用可能で、今後のグリーンテック分野に貢献する要素技術と期待されています。

さらに、業界全体では「450mmウエハー」の実用化も見据えた大型化の流れも継続中。ただしこれはコスト・装置開発・材料供給のすべてにハードルがあるため、実用化は2027年以降になるという見方もあります。

まとめ

シリコンウエハーは、スマートフォンやパソコンだけでなく、車・家電・工場設備にいたるまで、私たちの生活のあらゆる場所で欠かせない、まさに「縁の下の力持ち」。単なる素材ではなく、最先端技術の土台となる精密な工業製品として、今後さらに需要が拡大していく分野です。

  • シリコンウエハーは、半導体チップのベース素材であり、電子機器の中核を担っている
  • ウエハーが丸い理由や素材(ケイ素)は、構造・加工効率に基づく必然性がある
  • 世界シェアは日本企業がトップで、信越化学・SUMCOが過半数を占めている
  • スマホ・車・AIなど、使用分野は今後も拡大が続く見込み
  • 製造工程は分業化されており、未経験でも働ける工程が多数ある
  • 再生ウエハーや環境配慮技術など、グリーンな技術革新も進行中

シリコンウエハーの現場では、精密性・清潔さ・ルール遵守が求められる一方で、マニュアル整備や教育体制が整っており、製造業初心者にも門戸が開かれているのが特徴です。「ものづくりに関わりたい」「成長産業で働きたい」と思うなら、この分野はまさに将来性と社会的意義を兼ね備えた選択肢になるはずです。

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