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日雇い派遣とは?原則禁止の理由と働ける例外条件をわかりやすく解説

2025/11/27

「日雇い派遣」という言葉を耳にして、1日だけ働ける便利な派遣のイメージを持っている方は少なくありません。一方で、「日雇い派遣は原則禁止」と聞き、具体的な意味がわからず疑問を持つも多いでしょう。

実際、日雇い派遣は労働者派遣法で厳しく規制されており、誰でも自由に選べる働き方ではありません。ただし、一定の条件を満たす人や業務であれば、例外的に認められるケースもあります。

この記事では、日雇い派遣の法律上の定義から、禁止されている理由、例外条件として認められる「人」と「業務」の具体的な内容、そして日雇いバイト(直接雇用)との違いまでを整理して解説します。

日雇い派遣とは「30日以内の雇用契約に基づく派遣」のこと

日雇い派遣とは、法律上は「日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者を派遣すること」を指します。1日単位で働くイメージが強いかもしれませんが、厳密には「30日以内の短期雇用で派遣されるケース」がまとめて規制の対象になっていると考えると整理しやすいでしょう。

日雇い派遣を理解するうえで重要なのは、「誰と雇用契約を結んでいるのか」という点です。派遣の場合、雇用主は派遣会社であり、働く場所は派遣先企業という構図になります。一方、日雇いバイト(アルバイト)は、働く企業と直接雇用契約を結ぶ形です。

そのため、同じ1日だけの仕事でも、派遣会社から派遣されるのか、企業と直接契約するのかによって「日雇い派遣」か「日雇いバイト」かが分かれます。この違いを押さえておくと、求人情報を見るときの視点が変わるでしょう。

労働者派遣法で定められた定義

日雇い派遣の定義は、労働者派遣法で次のように定められています。

  • 日々雇用される労働者を派遣すること
  • 30日以内の期間を定めて雇用する労働者を派遣すること

つまり、派遣会社が労働者と1日単位、あるいは30日以内の有期雇用契約を結び、そのうえで企業に派遣する働き方が「日雇い派遣」にあたります。

契約期間が短い分、仕事が終わればその時点で雇用も終了し、翌日の仕事や収入は保証されません。働く側から見ると柔軟で自由度が高い反面、雇用が極めて不安定になりやすい形態だと言えます。その不安定さが、後述する「原則禁止」の背景とも深く関わっています。

日雇いバイト(直接雇用)との違い

1日だけ働く仕事という点では、日雇い派遣と日雇いバイトはよく似ています。ただし、両者には次のような違いがあります。

日雇い派遣

  • 雇用契約:派遣会社と結ぶ
  • 働く場所:派遣先企業
  • 関係者:派遣スタッフ/派遣会社/派遣先企業の三者

日雇いバイト(直接雇用)

  • 雇用契約:実際に働く企業と結ぶ
  • 働く場所:その企業の店舗・オフィスなど
  • 関係者:アルバイト本人/勤務先企業の二者

同じ「1日だけの仕事」でも、間に派遣会社が入るかどうかで、法律上の扱いや適用されるルールが変わります。日雇い派遣が厳しく規制されている一方で、企業と直接契約する日雇いバイトは、一般的なアルバイト契約として広く行われている働き方です。

そのため、求人を探す際には「派遣会社経由の仕事なのか」「企業と直接契約する仕事なのか」を意識して確認しておくと、法律面での不安を減らしやすくなります。

日雇い派遣が法律で「原則禁止」とされている理由

日雇い派遣は、労働者派遣法により原則として禁止されています。背景には、短期の派遣契約が広く使われることで、労働者の雇用が極端に不安定になってしまうという懸念があります。

企業が必要なときだけ日雇い派遣を利用し、不要になればすぐに契約を打ち切るような状況が広がると、長期的な雇用が減り、生活の基盤を築くことが難しくなります。そこで法律は、一定の例外を除き、30日以内の期間を定めた派遣契約を禁止することで、常用雇用を守ろうとしているのです。

労働者の安定した雇用を守るため

日雇い派遣の規制には、「常用雇用の代替を防ぐ」という明確な狙いがあります。もし日雇い派遣が自由に認められていると、企業は長期の雇用契約を結ぶよりも、必要なときだけ人を呼べる日雇い派遣を選びやすくなります。その結果、正社員や長期契約の非正規雇用が減り、社会全体として不安定な働き方が増えてしまうおそれがあります。

特に景気が悪化した局面では、企業が雇用調整の手段として日雇い派遣を多用し、働く側が簡単に仕事を失うリスクも高まります。こうした状況を防ぐために、「日々または30日以内の雇用契約に基づく派遣」は原則禁止とされました。

言い換えると、日雇い派遣の禁止は、短期的な自由度よりも、労働者の長期的な安定を優先したルールだと捉えられます。

労働者派遣法による規制

日雇い派遣の規制は、労働者派遣法で定められています。法律上は「30日以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣は行ってはならない」といった趣旨で規定されており、これが「日雇い派遣原則禁止」という言い方の根拠です。

ただし、この条文には後段で例外規定も設けられており、一定の条件を満たす人や業務については、日雇い派遣が認められています。例外条件は細かく決められているため、「自分が当てはまるのか」「どの仕事で働けるのか」を確認することが重要です。

なお、法律上の責任は派遣会社や派遣先企業にありますが、働く側も基本的なルールを知っておくことで、怪しい求人を避けたり、信頼できる派遣会社を選んだりしやすくなります。

【例外】日雇い派遣で働くことが認められる「人」の条件

日雇い派遣は原則禁止ですが、すべての人に一律で禁止されているわけではありません。法律では、「雇用が比較的安定している」「本業の収入が十分にある」「学生で生計を立てているわけではない」など、生活基盤が他にある人については、日雇い派遣で働くことを認めています。

そのため、自分の属性が例外条件に当てはまるかどうかを知ることが、日雇い派遣の可否を判断する第一歩になります。代表的な条件は次の4つです。

60歳以上の人

まず、60歳以上の人は、日雇い派遣の例外として認められています。定年を迎えた後に、「年金だけでは足りないので少し働きたい」「フルタイムではなく、たまに仕事をしたい」というニーズに対応するための仕組みと考えられます。

この場合、生活の基盤は年金などにあり、日雇い派遣はあくまで補助的な収入源という位置付けになりやすい点が前提にあります。派遣会社に登録するときは、運転免許証やマイナンバーカードなど、年齢がわかる身分証を提示して確認してもらう流れが一般的です。

雇用保険の適用を受けない学生(昼間学生)

昼間に学校へ通う学生も、日雇い派遣の例外として認められています。学生は本来の活動が「学業」であり、日雇い派遣はあくまでアルバイト感覚の位置付けに近いためです。

特に、長期の授業がない期間や長期休暇中に、短期間で集中的に働きたい学生にとって、日雇い派遣は柔軟な選択肢になり得ます。派遣会社への登録時には、学生証の提示を求められることが多く、そこで「昼間学生」であることを確認されます。

副業として従事する人(本業の年収が500万円以上)

本業の年収が500万円以上あり、副業として日雇い派遣を行う人も、例外条件に該当します。本業で十分な収入があり、生活の基盤がすでに安定していると考えられるためです。

このケースでは、日雇い派遣は「副収入」や「スキルを試す場」といった意味合いが強くなります。派遣会社では、前年度の源泉徴収票など、本業の年収がわかる書類の提出を求めることが一般的です。

主たる生計者ではない人(世帯年収が500万円以上)

世帯全体の年収が500万円以上あり、自分自身が「主たる生計者」ではない人も、日雇い派遣の例外とされています。例えば、配偶者の収入で生活の基盤が成り立っており、自分の収入は補助的な位置付けというケースがこれに当てはまります。

この場合も、「日雇い派遣の収入が途切れても、世帯としての生活は維持できるだろう」という前提があり、雇用の不安定さが生活に直結しにくいと判断されます。証明方法としては、自身や配偶者の源泉徴収票、課税証明書など、世帯収入を確認できる書類を提示する流れが多いでしょう。

【例外】日雇い派遣が認められる「業務」の条件

日雇い派遣の例外には、「人」の条件だけでなく、「業務」の条件もあります。特定の専門性を持つ仕事については、短期間の派遣が必要とされることが多いため、日雇い派遣でも認められているのです。

これらの業務は、一般的な軽作業や販売と比べると、一定のスキルや知識が求められるものが中心です。その分、短期間でも即戦力として働いてほしいというニーズがあり、日雇い派遣の例外業務に指定されています。

例外として認められる主な業務は次の通りです。

  • ソフトウェア開発
  • 事務用機器操作
  • 通訳、翻訳、速記
  • 秘書
  • ファイリング
  • 調査
  • 財務処理
  • 取引文書作成
  • デモンストレーション
  • 添乗
  • 受付・案内
  • 研究開発
  • 事業の実施体制の企画・立案
  • 書籍等の制作・編集
  • 広告デザイン
  • OAインストラクション
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

求人票にこれらの業務内容が記載されている場合、かつ「人」の例外条件にも当てはまっていれば、日雇い派遣として働ける可能性があります。

日雇い派遣で働くメリット

日雇い派遣は利用できる条件が限られているものの、該当する人にとっては日常のリズムに合わせやすい柔軟な働き方です。1日単位で働けるため、空いた時間を収入に変えられる点が大きなメリットとして挙げられます。

  • 働く日を自由に選べる柔軟性
  • 日払い・週払いなど短期間で収入を得られる即金性
  • さまざまな職場や業務を経験できる多様性

学業・家事・本業の合間に働きたい人や、急ぎで現金が必要な人にとっては、日雇い派遣が有力な選択肢となる場合があります。また、短期で多様な仕事を経験できるため、働きながら「自分に向いている職種」を探したい人にも適した働き方と言えるでしょう。

働きたい日を自由に選べる

日雇い派遣の大きな特徴は、1日単位で仕事を選べる点にあります。週に何日も固定で入る必要がなく、「この日は予定が空いたので働きたい」「今週は他の用事が多いので少なめにしたい」といった細かな調整がしやすい働き方です。

特に、学業や家事、本業の仕事などとの両立を考えている人にとっては、「空いた日にだけ働ける」という柔軟性は魅力になり得ます。生活の中心となる活動は別にあり、その合間に収入を得たいというニーズに、日雇い派遣は比較的合いやすい仕組みと言えるでしょう。

短時間で収入を得られる

日雇い派遣の求人には、「日払い」「翌日払い」「週払い」など、比較的早いタイミングで賃金を受け取れるものが多く見られます。急な出費が重なったときや、一時的に現金が必要になったときに、短期間で収入を得られる点は実務的なメリットです。

もちろん、支払いのタイミングは派遣会社や案件によって異なりますが、「働いた分がすぐ形になる」という感覚は、日雇い派遣ならではと言えます。生活のベースとなる収入は別にあり、一時的な補填として利用する場合には、こうした即金性が役立つ場面もあるでしょう。

さまざまな仕事を経験できる

日雇い派遣では、案件ごとに業務内容や職場環境が異なるため、短期間で多様な仕事内容を経験することになります。同じ業務が続く長期の仕事とは異なり、「いろいろな職場を見てみたい」「自分に合う仕事のイメージを広げたい」という人にとっては、プラスに働く面もあります。

もちろん、専門性の高い業務に関しては事前のスキルが求められるケースもありますが、「どのような職場が自分に合いそうか」を探るきっかけとして日雇い派遣を活用する人もいます。

日雇い派遣で働く際の注意点

日雇い派遣は自由度が高い反面、安定した働き方とは異なるため、収入面や将来のキャリアを踏まえて慎重に判断する必要があります。特に注意したいポイントは次の3つです。

  • 案件が常にあるとは限らず、収入が不安定になりやすい
  • 業務が単発・短期中心のため、スキルアップにつながりにくい
  • 社会保険の加入条件を満たさず、保障面で不利になりやすい

日々の生活で必要な収入を日雇い派遣だけに頼ってしまうと、案件が減った時期に家計への影響が大きくなります。また、長期的なキャリア形成を考える場合は、別の仕事や学習と組み合わせてスキルを積み上げる視点が欠かせません。

即金性や自由度だけで判断せず、将来の安定性も含めてバランスよく考えることが大切です。

必ず仕事があるとは限らない

日雇い派遣は、企業側のニーズに応じて募集が発生する働き方です。働きたい日があっても、その日にちょうど合う案件があるとは限りません。繁忙期には仕事が豊富でも、閑散期には募集が減り、思うようにシフトが入れられない状況も十分に考えられます。

そのため、日雇い派遣の収入に生活の多くを依存してしまうと、仕事が途切れたときに一気に家計が苦しくなるリスクがあります。あくまで補助的な収入源として位置付け、生活のベースとなる収入は別の働き方で確保しておく方が現実的です。

スキルアップにはつながりにくい

日雇い派遣の多くは、短時間で業務を覚えられる仕事や、即戦力として単純作業をこなす業務が中心です。その性質上、長期的な視点でスキルやキャリアを積み上げる場になりにくい側面があります。

短期的な収入確保には役立っても、「将来的にどのようなキャリアを築きたいか」という観点からは、物足りなさを感じる人もいるでしょう。将来のキャリアアップを重視するのであれば、日雇い派遣と並行して、長期的なスキル形成に役立つ学習や仕事にも目を向ける必要があります。

社会保険の適用対象外となる

1日単位の雇用契約では、健康保険や厚生年金保険、雇用保険などの社会保険の加入条件を満たさないケースがほとんどです。結果として、ケガや病気の際の保障や、将来の年金額といった面で不利になりやすい点は避けて通れません。

長期的な生活設計を考えるうえでは、社会保険への加入状況は重要な要素です。日雇い派遣を選ぶ場合でも、別の仕事で社会保険に加入しているか、将来的にどのように保障を確保するかを意識しておくことが大切です。

日雇い派遣に関するよくある質問

31日以上の派遣契約なら日雇い派遣の例外に当てはまらなくても働ける?

労働契約期間が31日以上であれば、日雇い派遣の規制の対象外となるため、例外条件に該当しない人でも派遣として働けます。

ただし、31日以上の契約であっても、実質的に短期雇用を繰り返すような運用がされていないかなど、別の観点から法律がチェックしている点も意識しておくと良いでしょう。

「日払い」の仕事は日雇い派遣ということ?

「日払い」という言葉は、あくまで賃金の支払いサイクルを指し、契約期間そのものを意味するものではありません。

31日以上の派遣契約でも、「給与の一部を日払いで受け取れる」といった仕組みを採用している案件もあります。そのため、「日払い=日雇い派遣」と短絡的に結び付けず、求人票には契約期間がどのように記載されているかを確認することが大切です。

例外に当てはまるか自分で判断できないときはどうすればいい?

自分だけで判断しきれない場合は、派遣会社の担当者に率直に相談するのが近道です。登録時のヒアリングで年齢や学籍、本業の収入、世帯収入などを伝えると、日雇い派遣で働けるかどうかを法律に基づいて判断してもらえます。

その際、源泉徴収票や学生証などの書類を持参しておくと、具体的な条件を確認しながらスムーズに話を進めやすくなります。

禁止されていると知らずに日雇い派遣で働いてしまったら罰則はある?

労働者側に罰則はありません。法律上の責任は、派遣会社や派遣先企業が負うことになります。とはいえ、違法な形で日雇い派遣を行う企業や派遣会社と関わると、賃金トラブルや労働条件の不備など、別のリスクを抱えやすくなります。

長期的な視点で見れば、法律をきちんと守っている派遣会社を選ぶことが、自分自身を守ることにもつながります。

まとめ

日雇い派遣は、労働者派遣法で「日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣」と定義されており、労働者保護の観点から原則禁止とされています。

ただし例外もあり、60歳以上、昼間学生、本業年収500万円以上、副業的な立場や世帯年収500万円以上の非生計維持者など、法律で定められた「人」の条件、または特定の専門的な「業務」の条件のいずれかを満たす必要があります。

日雇い派遣は、誰にとっても気軽に選べる働き方ではありませんが、条件を満たす人にとっては、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける選択肢にもなり得ます。法律上のルールを踏まえながら、自分に合った安全な働き方を見極めていきましょう。

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