半導体部品とは?種類や役割・製造工程と未経験から携わる方法を解説
2025/12/30
スマートフォンやパソコン、自動車、生活家電など、私たちの暮らしには数えきれない電子機器があります。その心臓部として電気の流れをコントロールしているのが半導体部品です。ただ、「名前は聞いたことがあるけれど、仕組みや役割はよくわからない」という人も多いはずです。
一方で、半導体業界は景気に左右されにくい成長分野として注目され、未経験から工場や製造現場で働く人も増えています。
そこで本記事では、半導体部品の基礎知識から主な種類、製造工程、現場での仕事内容までを押さえ、安定成長を続ける半導体業界で働くためのポイントを解説します。
半導体部品とは
半導体部品は、電気を通したり止めたりしながら、電子機器の動きを支える重要なパーツです。条件によって性質が変わる半導体という材料を使うことで、複雑な制御を小さなチップの中に詰め込めます。その結果、機器は小型化・高性能化し、今の便利な暮らしが成り立っています。
目に触れる機会はほとんどありませんが、半導体部品はあらゆる電子機器の内部に組み込まれています。そのため、米や電力になぞらえて「産業のコメ」と呼ばれるほど、現代社会にとって欠かせない存在です。
電気を通したり通さなかったりする物質
半導体は、金属のように電気をよく通す「導体」と、ゴムやガラスのようにほとんど通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ材料です。代表例がシリコンで、温度や不純物の混ぜ方によって電気の通りやすさを変えられます。この性質を利用し、電気を流したいときだけ流し、止めたいときはきちんと止める仕組みを作り出します。
半導体部品は、こうした材料をベースにして微細な回路を作り込み、スイッチングや増幅といった機能を実現します。同じシリコンでも、加工の仕方によって役割がまったく変わるため、「素材+加工技術」の組み合わせが半導体技術の要となります。
社会インフラから家電まで幅広く活用
半導体部品は、身近な家電だけでなく、インターネット通信の基地局、データセンター、電車や自動車の制御装置など、社会のあらゆる場面に組み込まれています。例えばスマートフォンの中だけでも、演算用のチップ、記憶用のメモリ、電源を管理するパワー半導体、カメラ用のイメージセンサなど、多数の半導体部品が動作しています。
また、工場の生産設備や医療機器、発電や送配電システムにも半導体部品が使われています。一つひとつは小さな部品ですが、それが無数に組み合わさることで現代の便利な生活が支えられていると考えると、その重要性の大きさが実感しやすくなります。
半導体部品の主な種類と役割
半導体部品と聞くと、複雑で専門的なイメージを持ちやすいですが、大きく分けると「演算」「記憶」「電力制御」「検知」といった役割に整理できます。
- IC・LSI:演算や記憶を担うチップ
- ディスクリート:トランジスタやダイオードなど単機能部品
- パワー半導体:大きな電力を安全・効率的に扱う部品
- センサ半導体:光や温度などを電気信号に変える部品
こうした分類を押さえておくと、求人票に出てくる用語やニュースの内容も理解しやすくなります。
IC(集積回路)・LSI(大規模集積回路)
ICは、抵抗やトランジスタなど複数の電子部品を一つのチップ上にまとめた部品です。さらに多くの回路を詰め込んだものがLSIで、スマートフォンやパソコンの中で計算や制御を行う中核的な役割を担います。演算処理を担当するものは「ロジック半導体」と呼ばれ、CPUやマイコンとして機器の頭脳の働きを担います。
一方、「メモリ半導体」は、データやプログラムを保存する役割を持ちます。電源を切ると消えるDRAM、消えずに残るフラッシュメモリなどがあり、アプリの動作や写真・動画の保存など、日常的な操作の裏側で働いています。
これらを組み合わせることで、スマートフォン一台でも多彩な機能が実現されています。
ディスクリート半導体(単一機能)
ディスクリート半導体は、一つの役割に特化した単機能の部品です。代表例がトランジスタとダイオードで、トランジスタは信号を増幅したり、電気のスイッチとしてオン・オフを切り替えたりします。アナログ信号の増幅やデジタル信号の切り替えなど、幅広い用途で使われています。
ダイオードは、電気を一方向にだけ流す「電気の逆流防止弁」のような存在です。交流を直流に変える電源回路や、逆流による故障を防ぐ保護回路などに組み込まれます。ICのような華やかさはありませんが、電子回路を支える基礎的な部品として欠かせません。
パワー半導体
パワー半導体は、高い電圧や大きな電流を扱うために設計された部品です。家庭用の小さな電子機器だけでなく、エアコンや冷蔵庫のモーター制御、工場設備、鉄道、電気自動車など、さまざまな場面で電力を効率よく制御する役目を担っています。
例えば電気自動車では、バッテリーの直流電力をモーター用の交流に変換したり、回生ブレーキで発電した電気をバッテリーに戻したりする際にパワー半導体が活躍します。
省エネ化や脱炭素が重視される流れの中で、パワー半導体の重要度は今後さらに高まると考えられています。
センサ半導体
センサ半導体は、光・温度・圧力・加速度などの物理量を検知し、電気信号に変換する部品です。スマートフォンのカメラで使われるイメージセンサ、画面の自動明るさ調整に使われる照度センサ、自動車のエアバッグや姿勢制御に使われる加速度センサなどが代表例です。
最近では、IoT機器やスマート家電の普及に伴い、センサ半導体の搭載箇所が増えています。人や環境の状態を細かく把握し、機器の動作に反映させることで、より快適で安全な生活が実現されています。
半導体部品ができるまでの製造工程
半導体部品の製造は、「前工程」と「後工程」の大きく二つの段階に分かれます。その前に設計・開発を行い、回路の内容を決めてから量産に入る流れが一般的です。高度な技術が集約された分野ですが、全体の流れを押さえておくと、工場での仕事もイメージしやすくなります。
- 設計段階で回路や仕様を決める
- 前工程でシリコンウェーハ上に回路を形成する
- 後工程でチップを切り出してパッケージ化し、検査を行う
細かな専門用語も多い分野ですが、ここでは「どの段階で何をしているのか」をつかむことが目的です。
設計・開発
最初の段階では、どのような機能を持つ半導体にするか、回路規模や消費電力などの仕様を決めます。設計担当者が回路図やレイアウトを作成し、シミュレーションで動作を検証します。この段階で性能やコストのバランスをどう取るかが、製品の競争力に直結します
設計がまとまると、フォトマスクと呼ばれるガラス板に回路パターンを描き込みます。これが前工程でシリコンウェーハに回路を転写する際の“型”の役割を果たします。
前工程(ウェーハ処理)
前工程では、シリコンウェーハと呼ばれる丸い板の表面に、極めて細かい回路パターンを何層にも重ねて作り込んでいきます。洗浄で表面の汚れを取り除いたあと、成膜で薄い膜を重ね、露光で回路パターンを焼き付け、不要な部分をエッチングで削り取る作業を繰り返します。
この工程はクリーンルーム内で行われ、微小な粒子が付着するだけでも歩留まりに影響が出るため、空気の清浄度が厳しく保たれています。最新の工場では自動搬送装置が発達しており、人は装置の操作や監視に集中するスタイルが主流です。
後工程(組み立て・検査
前工程で多数のチップが形成されたウェーハを、小さな単位に切り分ける工程がダイシングです。その後、リードフレームや基板にチップを接合し、樹脂などで封止することでパッケージ製品として扱いやすい形に整えます。ここまできてようやく、見慣れた半導体パッケージの姿になります。
後工程では、電気的な特性が規格を満たしているか、外観に問題がないかなどの最終検査も行われます。この段階で不良品をしっかりと弾き、良品だけを出荷することで、電子機器メーカーや最終ユーザーの信頼を守っています。
半導体部品製造に関わる仕事内容
半導体工場では、装置を操作する仕事から検査・保全まで、多様な職種が連携して一つの製品を作り上げています。理系の専門職だけでなく、未経験からスタートできるオペレーターや検査スタッフも多く活躍しています。
- 装置を操作・監視するマシンオペレーター
- 品質を確認する検査・検品スタッフ
- 設備維持や改善を担う設備保全担当
自分の得意分野やキャリアの方向性に応じて、目指せるポジションが複数ある点も半導体工場の特徴です。
マシンオペレーター
マシンオペレーターは、前工程・後工程で使われる製造装置の操作や監視を担当します。タッチパネルで条件を設定したり、ウェーハや部品を装置にセットしたりする作業が中心で、肉体労働よりも機械とのやり取りが多い仕事です。
装置に異常がないかをモニターしながら、定められた手順通りに運転を進めることが求められます。トラブルが起きた際には一時停止して原因を確認し、必要に応じて設備保全担当へ連絡します。未経験でも、マニュアルに沿って覚えていける環境が整っている職場が多いです。
検査・検品
検査・検品は、半導体チップやパッケージ製品に不良がないかを確認する仕事です。顕微鏡や専用の検査装置を使い、キズ・欠け・汚れ・位置ずれなどをチェックします。座り仕事が多く、細かな作業が得意な人や集中して物事に取り組める人に向いています。
検査結果はデータとして蓄積され、不良傾向の分析や工程改善にも活かされます。黙々と作業しながらも、品質向上に貢献できる点にやりがいを感じる人も多く、女性比率が高い現場も少なくありません。
設備保全・メンテナンス
設備保全は、半導体製造装置が安定して稼働するように、日常点検や部品交換、故障時の復旧対応などを行う仕事です。電気や機械に関する知識が求められる分、専門性が高く、経験を積むほど評価されやすい職種でもあります。
突然のトラブルに対応する場面もありますが、予防保全の計画を立てて故障を未然に防ぐことが重要な役割です。製造ライン全体の動きを理解しながら仕事を進めるため、現場経験を経てキャリアアップしたい人にとって魅力的なポジションと言えます。
半導体業界で働くメリットと将来性
半導体業界は、今後も需要拡大が見込まれる成長分野です。特に、自動車の電動化やAI、通信インフラの高度化など、多くの分野で半導体への依存度が高まっています。そのため、技術者だけでなく製造や検査スタッフも含めて、長期的に安定したニーズが続くと考えられます。
- 需要拡大が続き、長期的な成長が期待される
- クリーンルーム中心で快適な作業環境が多い
- 未経験から専門スキルを身につけやすい
働きやすさと将来性を両立できる点が、半導体工場の大きな魅力です。
需要が拡大し続けており将来性が高い
5G通信、クラウドサービス、AI処理、自動運転技術、IoT機器の普及など、新しい技術の多くは半導体を土台にしています。機器が高度になるほど必要な半導体の種類や数量も増えるため、世界的に投資が続いています。
もちろん景気の波で増産・減産はありますが、長期的に見れば半導体需要全体は増加傾向です。こうした背景から、半導体関連の工場や企業は中長期で成長戦略を描きやすく、雇用も安定しやすい環境と言えます。
クリーンルームで快適な職場環境
半導体工場の多くは、チリやホコリを極限まで減らしたクリーンルームで作業します。温度や湿度も一定に保たれており、夏場でも冬場でも快適な環境です。一般的な工場の「暑さ・寒さ・埃っぽさ」といったイメージとは大きく異なります。
さらに、クリーンウェアを着用するため、衣服が汚れることもほとんどありません。花粉や粉塵が苦手な人にとっても働きやすい環境であり、「きれいな職場で工場勤務をしたい」というニーズに合致しやすい業界です。
未経験から手に職をつけられる
半導体工場では、多くの工程がマニュアル化されており、未経験者向けの研修も用意されています。装置の操作方法や検査手順などは、入社後に一つずつ覚えていけば問題ありません。文系出身や製造未経験の人でも、現場で経験を積むことで専門性を高めていけます。
また、経験を重ねることで、設備保全や品質管理、工程管理など、より高い責任と裁量を持つポジションも目指せます。長期的なキャリアを築きたい人にとって、成長余地の大きい分野です。
半導体部品に関するよくある質問
Q. 半導体部品と電子部品の違いは?
電子部品は抵抗やコンデンサなどを含む広い総称で、その一部に半導体材料を使う半導体部品があります。半導体部品は、電気を制御したり増幅したりする能動的な役割を持つ点が特徴です。
Q. 文系や未経験でも製造の仕事はできる?
文系や未経験でも働けます。半導体工場では操作手順が標準化されており、入社後の研修で装置の扱い方や検査方法を学べます。理系の高度な知識が必須というわけではありません。
Q. 工場勤務は夜勤がある?
半導体工場は装置を止めずに動かすため、交替制で夜勤を含む勤務形態になることが多いです。その分、深夜手当やシフト手当がつき、日勤だけの仕事より収入面で有利になる場合もあります。
まとめ
半導体部品は、電気の流れを細かく制御することで、スマートフォンや自動車などさまざまな機器を動かしている重要なパーツです。ICやディスクリート、パワー半導体、センサといった多様な部品が組み合わさり、現代の情報社会を下支えしています。
製造現場ではマシンオペレーターや検査、設備保全など多くの役割があり、未経験からでも専門スキルを身につけながら働くことが可能です。
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