板金工の仕事内容とは?3つの種類と年収・未経験から職人になる方法まで解説
2025/12/30
板金工という言葉を聞くと、「車のへこみを直す仕事?」といった漠然としたイメージを持つ人が多いかもしれません。実際には、家の屋根や外壁、工場で使われる機械や電子機器の部品など、身の回りのあらゆる金属製品に板金工の技術が関わっています。
とくに現場で活躍する板金工は、「建築」「自動車」「工場(精密板金)」の3つに大きく分けられ、それぞれ働き方や求められるスキルが異なります。
この記事では、3種類の板金工の違いから仕事内容、年収、メリット・デメリット、未経験から職人を目指すステップまでを分かりやすく解説します。
板金工は金属加工のプロフェッショナル
板金工は、薄い金属板を自在に扱い、図面や現場の状況に合わせて形を作り上げる専門職です。建物の屋根や外壁、自動車のボディ、工場で使われるカバーや部品など、多くの製品が板金技術によって形になっています。
板金工は単に金属を扱うだけでなく、用途に合わせて強度や見た目を考えながら形を作る役割を担います。どの分野を選ぶかによって現場環境や必要なスキルが変わるため、最初に全体像を知っておくと、自分に合った方向性を選びやすくなります。
板金(ばんきん)とは
板金とは、鉄やステンレス、アルミなどの薄い金属板を、切断・曲げ・絞り・叩きなどの加工によって目的の形状にしていく技術を指します。薄いといっても、屋根や外壁に使われる板は風雨に耐えられる厚みがあり、自動車の外板は衝撃を吸収しつつ元の形に戻せる柔軟性を持っています。
こうした素材を、工具や機械を使って立体的な形へと変えていくのが板金工の仕事です。住宅の屋根や外壁パネル、雨樋、車のフェンダーやドア、機械のカバーや制御盤など、完成後には当たり前のように存在しているものも、その裏側では板金技術によって形作られています。
【種類別】板金工の仕事内容
同じ「板金工」という呼び名でも、働く場所や一日の過ごし方は分野によって大きく違います。屋外の建設現場で体を動かす仕事もあれば、工場内で機械を操作しながら精密部品を作る仕事もあります。
- 建築板金:屋根・外壁・雨樋など建物の外装を仕上げる仕事
- 自動車板金:凹んだボディを元のラインに近づける修復の仕事
- 工場板金:図面に基づいて機械や装置の部品を製造する仕事
同じ金属を扱う仕事でも、「現場で形を合わせて施工するのか」「工場で図面通りに加工するのか」「車のボディラインを復元するのか」によって、求められるスキルや向き不向きが変わってきます。
建築板金工(建設業)
建築板金工は、住宅や工場、商業施設などの屋根や外壁、雨樋といった部分を金属で仕上げる仕事です。現場で金属板を切ったり折り曲げたりしながら、建物の形状にぴったり合うように調整して取り付けていきます。雨漏りや風による被害を防ぐため、防水性や耐久性を意識した施工が求められます。
作業は屋外かつ高所で行うことが多く、屋根の上での作業や足場の上を移動する場面も多くなります。その分、完成した建物を外から眺めたときに「自分が手掛けた屋根だ」と実感しやすく、地域に建つ建物として長く残る点にやりがいを感じる人も多い分野です。
自動車板金工(自動車整備業)
自動車板金工は、事故や擦り傷などで変形した車のボディを修理し、見た目と機能をできる限り元の状態に戻す仕事です。ハンマーや専用のプーラー、ジャッキなどを使って鉄板を少しずつ引き出したり叩き出したりしながら、歪んだ骨格や外板を整えていきます。
修復後は、パテで表面をなだらかに整え、塗装担当者と連携しながら仕上げます。外観のラインや光の反射具合を意識しながら作業するため、美的感覚や細部へのこだわりが重要です。車が好きで「傷ついた車をきれいにしてあげたい」という気持ちがある人には、特にやりがいを感じやすい仕事です。
工場板金工(製造業)
工場板金工は、工場内で機械や電子機器のカバー、産業装置のフレーム、制御盤など、さまざまな部品を製造する仕事です。図面やCADデータを元に、必要な寸法に金属板を切断し、曲げ、穴あけなどの加工を行います。プレスブレーキ、タレットパンチプレス、レーザー加工機など、大型の板金機械を操作する場面が多くなります。
職場は屋内中心で、温度管理された工場も多く、安定した環境で働けるのが特徴です。CAD/CAMソフトを使って加工データを作る工場も増えており、機械操作とパソコン操作の両方に慣れていくことで、より高度な仕事を任されるようになります。
板金工の平均年収と給料相場
板金工全体の平均年収は、概ね400万〜500万円程度が目安とされています。見習いとしてスタートした直後は月給が低めに設定されることが多いものの、現場経験を積み、任される仕事の幅が広がるにつれて昇給しやすい構造です。とくに職人色が強い小規模事業所では、能力に応じた評価がされやすい傾向が見られます。
一方、大手メーカー系の工場板金では、基本給に加えて賞与や各種手当が整い、安定した収入を得やすいケースもあります。「早く高収入を目指したいのか」「安定感を重視したいのか」によって、選ぶべき分野や企業規模が変わってきます。
また板金工は技術職の一種であり、経験年数や技術レベルによって年収が変わりやすいです。見習い時代は収入が低めでも、技能を磨き資格を取得していくことで、着実に収入アップを目指せる職種といえるでしょう。
働く分野によっても収入の構造が違うため、自分がどのタイプを目指すかを考える際の参考にしてください。
種類やスキルによる収入差
建築板金や自動車板金は、経験を積んで独立開業する人も多く、自分で顧客を抱えられるようになると年収700万〜800万円以上を狙える可能性もあります。特定の地域で評判を得れば、指名や紹介で仕事が途切れにくくなるため、やり方次第で高収入を目指せる分野です。
一方、工場板金は大手メーカーや優良サプライヤーに所属することで、給与水準だけでなく福利厚生も含めて安定を得やすくなります。
さらに、技能検定や溶接資格、CADのスキルなどを組み合わせることで、昇進や資格手当につながりやすく、長期的に見ると安定性と収入アップの両立を図りやすい分野と言えます。
板金工として働くメリットとやりがい
板金工は、決して華やかな仕事ではないものの、ものづくりが好きな人にとって大きな充実感を得られる職種です。自分の手で金属を思い通りの形に近づけ、目に見える成果として残せるため、「やった分だけ形になる」という実感を持ちやすい点が魅力です。
- 代替されにくい一生モノの技術が身につく
- 建物や車、製品として成果が残りやすい
- 学歴不問で、現場で経験を積みながら成長できる
単なる労働力ではなく、「職人」として自分の価値を高めていける仕事を選びたい人にとって、板金工は有力な選択肢になります。
一生モノの技術(手に職)が身につく
板金工が扱う金属加工は、AIや自動化機械が進んでも完全には置き換えられにくい分野です。機械で曲げることはできても、現場ごとに微妙に違う寸法や歪みを調整したり、傷んだ部位だけを修復したりする作業には、人の感覚や経験が必要になります。
長年の経験で培った「このくらい叩けば戻る」「この曲げ方なら雨漏りしにくい」といった感覚は、データだけでは代替しづらい強みです。こうした技術を身につければ、年齢を重ねても現場で必要とされる存在になり、定年後も仕事を続けていく道を選びやすくなります。
自分が作ったものが形として残る
板金工の仕事は、建物の屋根や外壁、自動車のボディ、機械の外装といった形で世の中に残ります。完成後に現場を通りかかったときに、自分が施工した屋根やきれいに直した車を見られることは、大きな達成感につながるでしょう。
成果が数字だけでなく目に見える形で残るため、「仕事をした実感が湧きにくい」と感じやすいデスクワークとは違った満足感を得られます。こうした実感を大事にしたい人にとって、板金工は魅力的な技術職と言えます。
未経験からでも挑戦しやすい
板金工の多くは学歴不問・未経験歓迎の求人が多く、現場で先輩の仕事を見ながら少しずつ技術を覚えていくスタイルが一般的です。最初は材料運びや簡単な補助作業から始まり、工具の名前や使い方、金属の性質などを体で覚えていきます。
最近は、技能検定や研修制度を整えている企業も増えており、「見て覚えろ」という昔ながらのやり方一辺倒ではなくなりつつあります。ものづくりに興味があり、コツコツ練習を続けられる人なら、未経験スタートでも十分に職人を目指せます。
板金工のデメリット
板金工は魅力のある仕事ですが、決して楽な仕事だけではありません。体力的な負担や作業環境の厳しさ、技術が身につくまでの時間、怪我のリスクなど、あらかじめ理解しておきましょう。
- 屋外作業や立ち仕事による体力的な負担
- 技術習得まで時間がかかる
- 工具や金属を扱うため怪我のリスクがある
どの板金工を選ぶかによって、きつさの種類が変わる点も意識しておくと、自分に合った職場を絞りやすくなります。
体力的な負担と作業環境
建築板金は屋外での作業が中心で、夏は強い日差しの下での屋根作業、冬は風の吹きつける高所での施工が続きます。安全帯やヘルメットを着用しながら足場を移動するため、一定の体力と慣れが必要です。
一方、工場板金や自動車板金は屋内作業が中心ですが、基本的に立ち仕事が多く、長時間の作業で足腰に負担がかかりやすい側面があります。
また、工場や自動車工場では機械音が大きい環境や、金属粉塵・溶接煙に晒される場面もあるため、防じんマスクや耳栓など保護具の着用が欠かせません。どの分野でも、安全対策と体調管理が仕事を長く続けるための前提になります。
技術習得までの道のり
板金工として一人前と呼ばれるようになるには、早くても数年の経験が必要とされます。最初のうちは単純な作業や先輩の補助が中心で、「なかなか高度な仕事を任されない」と感じる時期が続くこともあります。地道な繰り返しの中で、手の動かし方や金属の癖を少しずつ身につけていくイメージです。
特に建築板金や自動車板金は、現場での経験量が仕上がりの差に直結します。焦らず、失敗も含めて経験を積み重ねていけるかどうかが、その後の成長を左右するポイントになります。
怪我のリスク
板金工は、鋭利な金属板や重量物、電動工具を扱う仕事です。金属の切り口で手を切ったり、重い部材を運ぶ際に腰を痛めたりするリスクがあります。また、高所作業や機械への巻き込まれなど、重大な事故につながる可能性がある場面もゼロではありません。
そのため、安全靴や手袋、保護メガネなどの保護具を正しく着用し、無理な姿勢や自己流の作業を避けることが重要です。安全教育や手順書をきちんと守れる人ほど、怪我を防ぎながら長く現場で活躍しやすくなります。
板金工に向いている人の特徴
板金工を目指すうえで気になるのが、「自分に向いているのか」「未経験からでもやっていけるのか」という点です。結論から言えば、ものづくりが好きで、コツコツ練習を続けられる人なら十分に挑戦できます。その中でも、どの種類の板金工を選ぶかによって適性が変わってきます。
- モノづくりや細かい作業が好きな人
- 体を動かすことが好きな人
- 車が好きでボディラインや色味にこだわりを持てる人
自分の性格や体力、興味の対象を踏まえながら、どの分野を目指すかを考えていくと納得感のある選択がしやすくなります。
モノづくりが好きで集中力がある人
板金工は、金属をイメージ通りの形へ近づける工程を繰り返す仕事です。プラモデル作りやDIYが好きな人、図面を見ながら手を動かす作業に楽しさを感じる人は、仕事と趣味が近い感覚で取り組めるケースも少なくありません。
一方で、同じ作業を何度も繰り返しながら精度を上げていく場面も多く、集中力と根気が求められます。細かい調整を面倒に感じず、むしろ「もう少し良くしたい」と思える人ほど成長しやすい傾向があります。
種類別の向いている人
建築板金に向いているのは、屋外で体を動かすことが好きで、ダイナミックな仕事に魅力を感じるタイプです。高所作業への抵抗が少なく、現場ごとの条件に合わせて柔軟に対応できる人が活躍しやすい分野と言えます。
車が好きでボディラインや色味にこだわりを持てる人
自動車板金は、車が好きでボディラインや色味にこだわりを持てる人に向いています。繊細な手作業と仕上がりの美しさに価値を感じる人にとって、楽しいと感じる場面が多い仕事です。
工場板金は、機械操作や図面を見ることが苦にならず、安定した環境でコツコツ働きたい人に適しています。
キャリアアップに役立つ資格
板金工として長く働くことを考えるなら、実務経験に加えて資格の取得も視野に入れておきたいところです。技能検定などの国家資格は、技術レベルの証明になるだけでなく、企業によっては資格手当の対象になる場合もあります。
また、現場で必要とされる作業系資格を持っておくと、任される仕事の幅が広がります。「働きながら段階的に資格を取る」イメージを持っておくと、長期的な成長プランを描きやすくなります。
技能検定(国家資格)
技能検定は、自分の技術レベルを客観的に示せる国家資格です。「建築板金技能士」「工場板金技能士」など、分野ごとに等級が分かれており、実務経験を積んだうえで受験します。試験では図面の読み取りや加工精度、段取り力などが問われるため、普段の仕事に真剣に向き合うほど合格に近づきます。
資格を取得すると、社内での評価が上がりやすくなるだけでなく、転職時のアピール材料にもなります。なかには資格手当を支給する会社もあり、同じ仕事をしていても収入面で差がつくことがあります。長く板金工として働くつもりなら、将来的な目標として視野に入れておきたい資格です。
現場で必要な作業系資格
板金工として活躍するうえでは、溶接や玉掛け、フォークリフトなどの作業系資格も重要になります。アーク溶接や半自動溶接の資格があれば、部材同士をつなぐ工程を任される場面が増え、仕事の幅が広がります。玉掛けやクレーン関連の資格は、重量物の吊り上げ作業に携わる際に必要です。
これらの資格は、安全に作業を進めるためのルールを理解し、事故を防ぐための知識を身につけることにもつながります。会社が受講費用を負担してくれるケースもあるため、働きながら段階的に取得していく人が多いです。
中央職業能力開発協会の技能検定情報なども参考にしながら、自分のキャリアに合った資格取得計画を立てると将来の選択肢が広がります。
板金工に関するよくある質問
Q. 手先が不器用でもなれますか?
最初から器用な人ばかりではなく、多くの人が現場での反復練習を通じて上達していきます。正確な作業には「丁寧さ」と「手順を守る姿勢」が重視されるため、焦らず基本を積み重ねれば板金工として成長できます。
Q. 工場板金は「カンカン」叩く仕事ですか?
昔ながらの手作業で叩く工程も残っていますが、現在はプレスブレーキやレーザー加工機などの設備を使う割合が高くなっています。図面通りに機械を設定し、精度よく加工するマシンオペレーターの要素が強い仕事と考えるとイメージしやすいです。
Q. 女性でも板金工になれますか?
特に工場板金や自動車板金の塗装分野では、女性職人も増えています。機械化の進展や作業の分業化により、極端な力仕事だけで構成される現場は減っているため、金属加工や車が好きなら性別に関係なく板金工を目指せます。
まとめ
板金工は、薄い金属板を加工して建物や車、機械などに命を吹き込む技術職です。「建築板金」「自動車板金」「工場板金」という三つの分野に分かれ、それぞれ現場環境や必要なスキル、キャリアパスが異なります。
体力的な負担や怪我のリスク、技術習得まで時間がかかるといった厳しさはあるものの、技能検定や作業系資格を組み合わせていけば、収入面と専門性の両方を高めていけます。
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