解雇予告手当はいくらもらえる?計算方法や支払われないケースを解説
2026/03/20
突然解雇を告げられると、すぐ辞めるしかないのか、手当はいくら受け取れるのかと不安になるでしょう。
しかも、平均賃金の計算は少し複雑で、支払われない例外や派遣社員の扱いまで絡むため、求人票や給与明細だけでは判断しにくい問題です。
会社の説明をそのまま受け取ると、本来もらえるはずの金額を見落とすことも。
この記事では、解雇予告手当の計算方法、支払われないケース、請求時の対処法を解説します。
解雇予告手当は「平均賃金×30日に不足する日数」で計算する
解雇予告手当の基本は、難しく見えても考え方自体はシンプルです。押さえたいポイントは次の4つです。
- 会社は原則として30日以上前に解雇を予告しなければならない
- 30日に足りない日数分は、解雇予告手当の支払いが必要
- 1日分の基準は「平均賃金」で決まる
- 平均賃金は直近3か月の賃金総額と暦日数で計算する
つまり、まずは1日あたりの平均賃金を出し、そのうえで不足日数を掛ければよいという流れです。即日解雇なら30日分、10日前に予告されたなら20日分というように、予告日数に応じて金額が変わります。労働基準法20条は30日前の予告を原則とし、不足日数分の支払いを求めています。
解雇予告手当の基本の計算式
会社が労働者を解雇する際は、原則として30日以上前に予告しなければなりません。そして、予告が30日に満たないときは、その不足日数分について平均賃金を支払う必要があります。計算式で書くと、「1日あたりの平均賃金 × 30日に不足する日数」です。たとえば10日前に解雇を告げたなら、20日分を支払う形になります。
解雇予告手当は、突然職を失う労働者の生活を支えるための仕組みです。会社が「今日で終わり」と告げるなら、その分だけ金銭面で補う義務を負うという考え方でしょう。解雇そのものの有効性と、予告手当の支払い義務は別に検討されるため、不当解雇を争う場面でも計算を確認しておきましょう。
1日あたりの平均賃金の計算方法
平均賃金は、原則として「直近3か月間に支払われた賃金総額 ÷ その3か月間の暦日数」で計算します。ここでいう暦日数は、出勤日数ではなくカレンダー上の日数です。
休日や公休日も含めて数える点が、勘違いしやすいところでしょう。労働基準法12条は、平均賃金を算定すべき事由の発生日以前3か月の賃金総額を、その期間の総日数で割るルールを定めています。
また、計算結果に銭単位の端数が出たときは、小数点以下第一位で四捨五入し、1円未満を切り上げた金額ではなく、円単位で扱うのが実務上の基本です。給与明細から概算を出す際は、まず3か月分の支給総額と対象期間の日数を確認し、出勤日ベースで割らないよう注意したいところです。
賃金総額に含まれるものと含まれないもの
平均賃金の計算に使う賃金総額には、基本給だけでなく、通勤手当や残業代、役職手当など、労働の対償として継続的に支払われるものが入ります。名称ではなく、実際に賃金として払われているかどうかで見られるため、「手当だから除外」とは限りません。労働基準法は、賃金を名称を問わず労働の対償として支払うすべてのものと定めています。
一方で、臨時に支払われた賃金や、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は、平均賃金の総額から外されます。ボーナスや見舞金が典型例でしょう。
つまり、毎月の給与に近いものは入りやすく、臨時色の強い支払いは入りにくいという考え方です。どの項目が対象か迷うときは、給与明細の内訳を細かく見比べる必要があります。
解雇予告手当の計算シミュレーション
たとえば、直近3か月の賃金総額が90万円、対象期間の暦日数が90日なら、平均賃金は1日1万円です。この人が即日解雇された場合、不足日数は30日なので、解雇予告手当は30万円になります。予告なしの解雇では、30日分以上の平均賃金が必要になるため、まずは平均賃金を確定させることが出発点です。
別の例として、平均賃金が1日1万円の人に対し、会社が解雇日の10日前に予告したなら、不足日数は20日です。この場合の解雇予告手当は20万円になります。
厚生労働省も、10日前に予告されたケースでは20日分を請求できると案内しており、考え方は同じです。予告した日数だけ差し引き、30日に足りない部分を計算すれば足ります。
解雇予告手当が支払われないケース
解雇予告手当は原則として必要ですが、例外もあります。主なものは次の3つです。
- 労働者側に重大な責任があり、除外認定を受けた場合
- 天災事変などで事業継続が不可能となり、除外認定を受けた場合
- 試用期間14日以内など、法律上の適用除外に当たる場合
重要なのは、会社が一方的に「今回は例外」と決めれば済むわけではない点です。とくに重大な責任や天災事変を理由に即時解雇するなら、所轄労働基準監督署長の認定が必要です。例外のはずなのに認定が取られていないなら、手当を請求できる余地が出てきます。
労働者側に重大な責任がある場合
長期間の無断欠勤や横領のように、労働者側に極めて悪質な行為があり、それを理由として解雇するケースでは、解雇予告手当が支払われないことがあります。ただし、単に会社が「重大だ」と主張するだけでは足りません。所轄労働基準監督署長から解雇予告除外認定を受けてはじめて、手当なしの即時解雇が可能になります。
逆にいえば、懲戒解雇という名前が付いていても、除外認定がなければ当然に手当が消えるわけではないということです。会社から「重大な問題行為だから払わない」と言われたときこそ、認定の有無を確認したいところでしょう。理由が重いかどうかと、法的に手当を外せるかどうかは、同じではありません。
天災事変などで事業の継続が不可能な場合
地震、火災などの天災事変によって、事業の継続が客観的に不可能となった場合も、解雇予告の例外になりえます。もっとも、この場合も会社の自己判断だけで足りるわけではなく、労働基準監督署長の認定が必要です。災害が起きたから自動的に予告手当が不要になる、という単純な話ではありません。
そのため、会社から「災害の影響だから払えない」と説明を受けても、認定手続が取られているかどうかは分けて確認する必要があります。事業の一部が止まっただけなのか、継続が本当に不可能なのかでも評価は変わります。例外の適用範囲は狭く見られるため、曖昧な説明だけで納得しないことが大切です。
試用期間中や日雇い労働者などの場合
解雇予告のルールには、法律上あらかじめ外されている人もいます。代表例は、入社から14日以内の試用期間中の人、1か月を超えて継続雇用されていない日雇い労働者、2か月以内の期間を定めて雇われている人です。季節的業務で4か月以内の契約を結んでいる人も、同じ条文で外されています。
ただし、こうした人でも、法律が定める期間を超えて引き続き雇用された場合は扱いが変わります。たとえば日雇いでも1か月を超えて働いているなら、当然に除外とはいえません。試用期間中だから必ず手当なし、契約社員だから対象外、と早合点しないことが大切です。雇用期間や継続勤務の長さまで細かく見て判断する必要があります。
派遣社員は解雇予告手当をもらえるのか
派遣社員は、誰から仕事を切られたのかで扱いが変わります。確認したいポイントは次の3つです。
- 派遣先からの契約解除は、直ちに解雇とはいえない
- 派遣元から解雇されたなら、解雇予告手当の対象になりうる
- 雇用契約が続く自宅待機では、休業手当が問題になる
派遣では、実際に働く会社と雇用主が別です。そのため、派遣先の都合で就業先がなくなっても、すぐに「解雇された」とは限りません。まず見るべき相手は派遣先ではなく派遣元であり、雇用契約が続いているのか、解雇されたのか、自宅待機なのかで権利の中身が変わります。
派遣先からの契約解除は解雇にあたらない
派遣社員の雇用主は、派遣先企業ではなく派遣会社、つまり派遣元です。そのため、派遣先から契約を打ち切られても、派遣元との雇用関係がそのまま続いている限り、それだけで解雇とはいえません。派遣先が「もう来なくていい」と言っても、解雇予告手当の相手方になるのは通常、派遣先ではなく派遣元です。
派遣先との契約終了と、派遣労働者の雇用終了は別問題です。派遣契約が中途解除されても、派遣元との労働契約は残り期間があれば存続すると厚生労働省の資料でも示されています。現場で仕事がなくなったことと、法的に解雇されたことを混同しないようにしたいところでしょう。
派遣会社から解雇された場合は対象になる
一方で、派遣先との契約終了と同時に、派遣元からも「次の仕事を紹介できないので辞めてほしい」と言われ、雇用契約そのものを打ち切られたなら話は別です。この場合は、雇用主である派遣元による解雇が問題になるため、解雇予告手当を請求できる余地が出てきます。相手が派遣会社である点を押さえる必要があります。
派遣先の仕事が終わったことだけを理由に、派遣元が当然に即時解雇できるわけではありません。解雇するなら、一般の労働者と同じく、予告または不足日数分の手当が求められます。派遣元からの説明が曖昧なときは、「契約終了」なのか「解雇」なのかを書面で確認したいところです。
次の派遣先が決まるまでは休業手当の対象になる
派遣元との雇用契約が残っているのに、自宅待機を命じられて働けない状態なら、次に問題になるのは解雇予告手当ではなく休業手当です。厚生労働省は、派遣中の労働者の休業手当について、労働基準法26条の「使用者の責に帰すべき事由」に当たるかどうかは派遣元について判断すると示しています。
休業手当は、平均賃金の6割以上が基準です。派遣先との契約が終わったあとでも、派遣元が雇用契約を続けているなら、待機期間中の賃金補償が問題になります。解雇されたのか、待機命令なのかで請求先も金額も変わるため、通知書の文言を丁寧に確認することが大切でしょう。
解雇予告手当が支払われないときの対処法
会社が解雇予告手当を払わないときは、感覚だけで動くより、証拠を押さえながら段階的に進めることが重要です。意識したいポイントは次の3つです。
- 解雇の事実と理由を示す書面を確保する
- 内容証明郵便で請求し、請求の履歴を残す
- 労働基準監督署や弁護士へつなぐ
とくに口頭だけで「明日から来なくていい」と告げられたケースでは、後から会社側が説明を変えることも少なくありません。解雇通知書、解雇理由証明書、メール、LINE、録音などを早めに集め、請求の根拠を固めることで、交渉でも相談でも動きやすくなります。
解雇通知書や解雇理由証明書を請求する
口頭だけの解雇は、「言った」「言っていない」の争いになりやすいものです。そのため、まずは解雇通知書や解雇理由証明書の交付を求め、解雇の事実と理由を書面で残す必要があります。労働基準法22条は、労働者が解雇理由の証明書を請求したとき、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。
さらに、メールやLINEの履歴、面談の録音、勤務シフト表なども証拠として役立ちます。会社からどの時点で、どのような言い方で退職や解雇を告げられたのかが分かる資料は多いほど有利です。証拠集めは後回しにせず、やり取りが続いている段階から進めておくと、後の請求がぶれにくくなります。
会社に対して内容証明郵便で請求する
証拠がそろってきたら、次は会社に対して解雇予告手当の支払いを求める書面を送ります。口頭だけでは請求した事実が残りにくいため、内容証明郵便を使うと、いつ、誰が、どのような内容を送ったのかを後から示しやすくなります。請求日が明確になることで、会社側の対応の遅れも把握しやすくなるでしょう。
書面には、解雇日、予告日、平均賃金の計算根拠、請求金額、支払期限などを具体的に書くことが大切です。感情的な表現より、事実と数字をそろえるほうが交渉では強く働きます。解雇の有効性そのものを争う場合でも、予告手当の請求は別に進められることがあるため、金額の根拠ははっきり示したいところです。
労働基準監督署や弁護士に相談する
会社が請求に応じない場合は、集めた証拠を持って管轄の労働基準監督署へ相談する方法があります。解雇予告手当は労働基準法20条に基づく問題であり、行政に相談する意義は大きいでしょう。会社が例外を主張しているなら、除外認定の有無も含めて確認を進めやすくなります。
それでも支払いが進まないときや、そもそも解雇自体が無効ではないかを争いたいときは、労働問題に強い弁護士への相談が有力です。予告手当の請求にとどまらず、未払い賃金や地位確認、慰謝料など別の論点が絡むこともあるためです。争点が増えそうなケースほど、早い段階で法的な見通しを聞いておく意味は大きいでしょう。
解雇予告手当に関するよくある質問
Q. 解雇予告手当はいつ支払われる?
解雇予告手当は、通常の給料日まで待って支払えばよいものではありません。解雇の申し渡しと同時、または労働者が退職する日までに支払うべきものと考えられています。あとでまとめて払うと言われたときは、その説明だけで納得せず、支払日を明確に確認したいところです。
Q. 解雇予告手当に税金はかかる?
解雇予告手当は給与ではなく、税務上は退職手当等に該当し、退職所得として扱われます。そのため所得税の対象にはなりますが、退職所得控除が使われるため、実際の負担が小さく収まることも珍しくありません。源泉徴収の扱いは、退職所得の受給に関する申告書の提出有無でも変わります。
Q. パートやアルバイトでも解雇予告手当はもらえる?
解雇予告手当は正社員だけの制度ではありません。パート、アルバイト、契約社員でも、労働基準法21条の適用除外に当たらなければ対象です。雇用形態の名前だけで外れるわけではなく、入社14日以内かどうか、短期契約の例外に当たるかどうかなど、実際の勤務条件で判断されます。
まとめ
解雇予告手当は、突然仕事を失う労働者の生活を支えるために設けられた重要な権利です。計算の出発点は、平均賃金と30日に足りない日数の確認にあります。即日解雇なら30日分、10日前の予告なら20日分というように、仕組みを理解していれば自分でも金額を見積もりやすくなるでしょう。
もし会社が支払いに応じないなら、解雇通知書や解雇理由証明書、メール、録音などを集めたうえで請求を進めることが大切です。派遣社員なら派遣先ではなく派遣元との関係を見極め、解雇なのか待機なのかも区別しなければなりません。一人で抱え込まず、労働基準監督署や弁護士へ早めにつなぐことで、正当な権利を主張しやすくなります。
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