工場・製造業全体でよく使われる用語

工場・製造業で使われる用語を纏めました。

組立・加工

組立
電動ドライバーや手動ドライバー・スパナなど工具を使用し、部品や部材をネジで接合することです。小さなものでは携帯電話、大きなものでは自動車などの組立も行うことがあります。
加工
原料や材料に手を加え、ライン作業などでは作業工程の一部として処理し、後工程に流す作業で、取り扱う製品により機械を使用する場合や手動で行う場合などがあります。
仕上げ
金属・プラスチック・木材などをサンドペーパーなどで凹凸を無くすために削る場合や、工作機を使用して表面を磨くなどの作業のことです。
溶解
2つ以上の金属材料同士を高温の熱によって溶かし、接合する加工作業です。
アーク作業= 電気の放電現象(アーク放電)を利用し、同じ金属同士をつなぎあわせる溶接方法
ガス溶接=可燃性ガスを燃焼させて溶接部を加熱接合する溶接方法
半自動溶接=手溶接と自動溶接の両方を使う溶接方法
圧節
同じ種類の金属で、清浄(きれいな状態)な接合面同士をあわせて強力な圧力をかけると、原子間相互作用により接合します。この原理を利用して、溶接することです。
はんだ付け
原料や材料に手を加え、ライン作業などでは作業工程の一部として処理し、後工程に流す作業で、取り扱う製品により機械を使用する場合や手動で行う場合などがあります。
取り付け・取り外し
製造ラインで流れてくる部品や製品の一部に、別の部品を新たにつけたり、不良品などの部品の一部を取り外す作業のことです。
インパクトドライバー
締め付け用の電動工具です。プラスまたはマイナスのドライバビットで、木材のビス止めによく用いられます。
フライス
切削加工を行う工具。平面や溝などの加工をする際に用いられます。フライスを使って切削加工をする工作機械を、フライス盤といいます。
塗装
製品の表面に防錆や保護、装飾のために行われる作業工程です。吹付塗装や焼付け塗装、電着塗装など製品の特性などによって、様々な塗装手法を用います。
焼入れ
高温に熱した鋼を水または油で、急速に冷却する熱処理の一種です。刃物など高い硬度の鋼を作る時に行われる熱処理としては代表的な方法です。
ラッピング
作業対象物を研磨する加工法。ラップ台あるいはラップ定盤などの名称の平面台に対象物を置き、砥粒で挟んで、上部から工具を使用して圧力を加えて摺動(滑り動かすこと)させて研磨する方法です。

梱包

梱包
完成した商品や部品などを包装紙などで包む作業です。家電製品から食品類まで幅広い業種で行う作業です。
ピッキング
注文に対して、その品物を在庫から選び出すことを、ピッキングと言います。商品などを所定の場所に収める作業です。
仕訳
種類別や用途別など、目的別に分ける作業のことです。
梱包資材
エアパッキンやダンボールなど、製品や部品などを移送する時に使う資材のことです。
プラスチックコンテナ
プラスチック樹脂で作られたコンテナボックス。積み重ねもできて、部品の収納などにも用いられます。
フレコン
フレキシブルコンテナバックの略。袋状になっていて、粉末のものや、粒状のものを運搬するために使用されます。
ストレッチフィルム
伸び縮みするフィルムのこと。積荷のダンボールが荷崩れしたりしないように、ぐるぐる巻きにして使用します。静電気を帯びているので密着しやすいというのが特徴です。
シュリンクフィルム
熱を加えると、収縮して、保護したいものに密着する特性を持った梱包資材です。
工業用テープ
異なる材料を強力に接着する両面テープや粘着テープ、絶縁テープ、電磁シールドテープ、耐水テープ、耐熱テープ、表面保護テープなど、機能面に特化したものなど工業製品製造に関わるテープの総称です。

検査

目視検査
ベルトコンベアで流れてくる部品や組付けた製品を目で見て不良品などのチェックを行う検査のことです。
バリ取り
金属やプラスチックなどを加工した時にできるエッジ(出っ張り)を、サンドペーパー等を使って、取り除く作業のことを言います。
外観検査
部品や完成した商品を目で確認し、傷や汚れ、破損が無いかを確認する検査作業のことです。
点検
工作機械などの設備が正常に作動するか、異常はないか、製造ラインに不具合はないかを確認する作業のことです。
ノギス
スライドさせるパーツがあり、測定する物を挟んで、長さを測ります。旋盤やフライス盤などの加工現場で使用される測定工具です。
マイクロメーター
部品の寸法を測るための工具の一つ。目盛の最小単位は、0.01mmでノギスよりも精密に測定することができます。
オシロスコープ
時間の経過とともに、電圧が変化していく様子を観測できるようにした測定器です。
顕微鏡
外観検査をする時に用いる照明で、照射面積や照度、色温度などが最適化され、目に優しく、チラツキがない、さらに発熱も少なく、操作が簡単というのがポイントです。最近ではLEDによる照明器具もふえています。

食品加工

加工食品
大きく3つに分類されます。一次加工は精米や精糖などで、二次加工は、一次加工した製品を1種以上使った加工をしたもので、製パンやマヨネーズ、マーガリン、ソースなどがあります。三次加工は、一次または二次加工したものを組み合わせて、異なる形に加工したもので、菓子類などがそれにあたります。
食品の検品
食材の盛り付けなどが行われ、商品として完成したら、その商品の品質や盛り付けた容器などに破損がないかを見て確認、チェックし、不良や不具合がないかを選別する作業のことを言います。
調理補助
加工食品の一つである惣菜や、インスタント食品、レトルト食品などを調理・製造する時に、食材や原料の準備をしたり、製造する機械に投入したり、かき混ぜたりする作業のことを言います。
トッピング
お惣菜やケーキなどの加工された商品の仕上げに、飾り付けを行い、商品としての見栄えをよく、盛り付けることや、その作業のことを言います。
盛り付け
お菓子や惣菜、お刺身や果物など生鮮食品など、いくつかの食材を盛り付けを行う作業です。
食品切断装置
切断加工を行うための刃物がついた装置で、食品用専門の機械です。薄切り加工をするスライサーなど、食品を切断する状態によって、様々な切断装置があります。
超音波カッター
使用した食用油を浄化する装置のことです。煤煙や臭気を抑えることにも効果的です。
食用油浄化装置
使用した食用油を浄化する装置のことです。煤煙や臭気を抑えることにも効果的です。
食品搬送用コンベア
生鮮・加工食品を搬送するためのコンベアで、清潔に保つためのサニタリー性が強化されています。ベルトやローラにの素材は傷がつきにくいステンレスや汚れや傷が見つかりやすいような樹脂が使われています。
トレーサビリティ
食品などに使用することが主流となっていますが、製品の生産工程からマーケットに流通して、消費・廃棄するまでの過程・経路を追跡し、確認できる管理システムのことです。

マシーンオペレーション

NC旋
NCとはNumerical Controlの略で、工作物の位置や運動を数値化し、機械に命令・制御することをいいます。工作物を回転させながら、工具をあてて削る工作機械を旋盤といいます。つまり、数値制御による旋盤のことで工作物を削る工作機械です。
プレス機
金属またはプラスチックなどの部品を型枠に合わせて機械にはめ込み、圧力をかけて形を変形させる作業を行う機械です。
フライス盤
フライスを用いて、切削加工を行う工作機械です。対象物となる金属などをテーブル上の、可動式の台に固定し、回転軸の先端に取り付けた工具で加工作業を行います。
ポール盤
金属や木材など機械にセットし、ドリルで垂直に穴をあける機械のことです。 台状のテーブルに加工するモノを置いて、ドリルなどの切削工具を取り付けて回転させて穴あけ加工を行います。
射出成形
ペレットなどプラスチック材料に熱を加えて、溶かし、金型内に圧力を加えて注入し、固化させて成形を行う方法のことをいいます。
超音波カッター
刃先を超音波周波数で振動させ、切断する工具や機械のことです。ハンドカッタータイプから、産業機械に組み込んだ大型のものまで、用途に応じて様々なタイプがあります。
超音波カッター
使用した食用油を浄化する装置のことです。煤煙や臭気を抑えることにも効果的です。
研削加工
砥石を用いて行う研ぎ、削る、加工のことです。刃物と異なり、研削を行うの研磨の必要はありません。研削を行う際に、研削点の温度が高くなることがあるので、研削液を使用する場合は、性能の良いものを使う必要があります。
焼き付け塗装
塗装の種類の一つで、自動車のボディの塗装に用いられることが多いです。塗装する物の表面に塗料を塗り、乾燥させる時に熱を加える方法です。光沢に優れ、また、硬度や耐薬品性も持つ塗膜を得ることができます。
レーザー加工機
局所的で高いエネルギーを持つレーザー光によって、様々なものを加工する加工機のことです。柔らかいものから、硬いものまで、加工対象の種類を選ばず、非接触加工で、ストレスなく、微細な加工をすることができます。

クリーンルーム

クリーンルーム
空気中の浮遊微粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、そこに供給される水、薬品、材料などについても要求される清浄度が維持、保持され、温度、湿度、気圧などの環境条件についても管理が行われる空間のことです。
空気清浄度
空気がどの程度清浄かを示す値のことです。クリーンルームなどの性能を示すのに不可欠な数値です。
インダストリアルクリーンルーム
半導体製造に関わる部品・製品などの組立・加工や計測等の工業用品の製造等の作業を行う空間のことです。
バイオロジカルクリーンルーム
浮遊微生物が管理され、食品、医薬品、化粧品などの製造・加工の作業を行う空間です。医療施設などでも設置されることがあります。
浮遊微生物
空気中に浮遊している微生物の総称です。空気中に浮遊している状態では増殖はしませんが、落下して食品などに付着すると増殖し、汚染の要因となります。
浮遊微粒子
空気中に浮遊する0.01mm以下の粒状の物質のことです。
防塵服
クリーンルームで着用する全身を覆うクリーンウェア。衣服や体から発生する塵や埃を空間に入れないようにすることが目的の服。クリーンルームには、防塵服を着用し、エアーシャワーを浴びて塵埃を排除し、入退室するようにします。
コンタミネーションコントロール
コンタミネーションとは、製品への不純物の付着・混入のことで、それらがないように、調整・管理することです。清浄度管理とも言います。

講習・教育

講習・教育
免許により使用・操作権限が限定されます。技能講習が必要なものは、37種類あります。取得のためには、都道府県労働局登録教習機関によって、学科と実技(学科だけの場合もあります)の講習を受講し、その効果があったことが確認されると、修了証が交付されます。危険または有害な作業を行うためには、必要な資格になります。
特別教育
学科講習のみ(一部実技講習がある場合もあります)で、それほど難易度は高くありませんが、労働現場で、危険または有害な作業を行うために、必要なものとなります。
都道府県労働局登録教習機関
半導体製造に関わる部品・製品などの組立・加工や計測等の工業用品の製造等の作業を行う空間のことです。
品質管理
Quality Controlということから、「QC」と略すことが多いです。購買する側(買手)が要求する品質に最も適合する製品を、経済効率においても最適な方法で、生産する手段を体系化したものを言います。QC活動などを通して、教育・研修も定期的に行われることも多いです。
技術者教育
ベテランの熟練技術者が、その高度な技能やノウハウを、次の世代を担う若い技術者に確かに、きちんと受け継いでいくことです。実際に作業しながらというのが最も良いですが、最近では、文書化しにくいものをヒアリングしたり、動画などを使用したりする方法も行われています。